歯科コラム

衛生士による歯科コラム

2018年05月18日 (金)

歯を折ってしまったときの対処法、およびその後の治療方法

スポーツをしていたり、転んでしまったり、事故にあったりなどして歯を折ってしまったことがあるかもしれません。痛さと衝撃に動揺するのは無理もありません。歯を折ってしまった時、どのように対処したらいいのでしょうか?またその後歯科医院でどのような治療方法があるのでしょうか?わかりやすく解説していきます。

歯を折ってしまった時にしてほしいこと

歯を折ってしまった時にしてほしいこと

①欠片を探す
状態が良ければそのまま歯科用接着剤で着けることが可能な場合もあります。まずは欠片を探しましょう。

②根っこごと抜けた場合は、牛乳につけしましょう
ぶつけ方によっては、歯が根っこごと抜けてしまうことがあります。これを脱臼といいます。歯の根っこには、「歯根膜」という歯と歯槽骨(歯を支える周りの骨)をつなぐ膜があります。この歯根が乾燥してしまうと、歯を再び戻す(再植)ができなくなってしまうため、できれば生理食塩水に入れて乾燥を防ぎましょう。しかし、ほとんどの家庭には生理食塩水はないと思います。そこで牛乳で代用することも可能です。その際、できるだけ無脂肪牛乳を選ぶようにしてください。またポカリスエットなどを使うことも可能です。周りになにもない場合は、土などがついていたらさっと洗ってからお口の中に入れてください。その際、誤って飲み込まないようにだけ注意しましょう。

③痛みがあれば鎮痛剤を飲む
歯を折ってしまった場合、その衝撃で痛みが出ることがあります。また神経の部屋まで歯が欠けた場合、激痛が走ります。痛み止めを服用しましょう。

④出来るだけ早く歯科医院を受診する
欠けた歯を放置するのは危険です。たいして欠けていないと思ったとしても、出来るだけ早く歯科医院を受診しましょう。その際、欠けたり抜けてしまった歯を持参してください。

歯が欠けた時にしてはいけない注意点

①脱臼した歯をゴシゴシ洗わないようにしましょう
歯が抜けてしまった場合、土などの汚れを落とそうと水でゴシゴシ洗いたくなるかもしれません。しかしゴシゴシ洗うなら、歯根膜を傷つけてしまうため、再植することは不可能になります。注意しましょう。

②患部を指や舌で触らないようにしましょう
気になってつい指や舌で患部を触りたくなるかもしれません。しかし、雑菌が入る原因になりますので、刺激しないようにしましょう。

③自分で歯を接着することは絶対にやめましょう
欠けた歯を、一般の接着剤で歯に着けることは絶対にやめましょう。

④放置するのはやめましょう
歯を折ってしまったところをそのまま放置するのは危険です。たとえ痛みがなかったとしても、出来るだけ早く歯科医院を受診するようにしましょう。

その後の治療方法

その後の治療方法
では歯を折ってしまった場合、その後どのような治療をすることが可能なのでしょうか。

①欠けた歯を歯科用接着剤で着ける
状態が良く、それほど大きく欠けていない場合、そのままつけることが可能な場合があります。しかしすべてつけられるというわけではないので、歯科医師に相談しましょう。

②レジンによる修復
欠けたところをコンポジットレジンというプラスチックで修復できる場合があります。

③ラミネートベニア
欠けてしまった歯の表面を一層削り、つけ爪のように薄いセラミックを貼り付ける方法です。適応とならない場合もありますので、歯科医師に相談しましょう。

④再植
歯が根っこごと抜けてしまい、かつその歯の状態が良い場合、その歯をまた元の位置に戻すことを再植といいます。その後両隣の歯と固定します。

⑤神経の治療
歯が折れて神経の部屋が露出した場合は、神経を抜いて消毒する治療を受ける必要があります。その後、土台を入れてクラウンという被せものをします。クラウンは保険適用クラウンと保険適応外のクラウン(セラミッククラウンなど)があります。保険適応のものも、適応外のものもクラウンにはいくつか種類があるので、よく歯科医師と相談してから決めましょう。

⑥抜歯
歯が折れてしまった時、最悪の場合抜かなければならないこともあります。とくに歯にたてに割れてしまい、それが根っこの方まで続く場合は抜歯します。抜歯した後は、部分入れ歯にしたり、ブリッジ、そしてインプラントなどのいくつかの治療方法があります。それぞれの治療方法にはメリット・デメリットがありますので、自分にあった治療方法を選択しましょう。

まとめ

転ぶなどしてはが折れてしまうと、慌ててしまうかもしれません。しかしまずは落ち着いて欠けてしまった歯を探しましょう。根っこごと抜けてしまった場合は、牛乳かポカリスエット、もしくはお口の中に含んで歯科医院に行きましょう。ゴシゴシ洗ったり、乾燥させたまま放置しないように注意してください。できるだけ早く受診するようにしてください。
 そして、その後の治療にはレジンによる修復や、再植、抜歯などさまざまです。欠けてしまった歯の状況によって選択できる治療が変わってきます。よくドクターと相談するようにしてください。その時の状況にあった対処をいたします。

歯ぎしりの原因と対処法

多くの方が、寝ている間に気づかず、歯ぎしりや、食いしばりを経験しています。歯ぎしり食いしばりは、自分自身の歯や顎に大きな負担をかけてしまいますし、周りの人の睡眠を妨害してしまうこともあります。今回は歯ぎしり、食いしばりが起きる原因や、その対処法について解説していきます。

歯ぎしりとは

歯ぎしりとは

歯ぎしりとは、無意識のうちに上下の歯をこすり合わせたり、ぐっと噛みしめることです。歯ぎしりには、3つのタイプがあります。

①グラインディング
グラインディングとは、上下の歯をぎりぎりとこすり合わせるタイプの歯ぎしりです。歯のこすれ合う音が出る、最も知られている歯ぎしりのタイプです。

②クレンチング
クレンチングとは、上下の歯を強く噛みしめる、いわゆる食いしばりです。音が出ないのが特徴のため、周りの人は気づきません。

③タッピング
クレンチングとは、上下の歯を強く噛みしめる、いわゆる食いしばりです。音が出ないのが特徴のため、周りの人は気づきません。

歯ぎしりの原因5つ

歯ぎしりの原因にはいくつか考えられていますが、主な原因として5つ取り上げます。

①ストレス
歯ぎしりの原因として真っ先にあげられるのが、ストレスです。ストレス社会の現代において、年齢に関わりなく誰もがストレスを感じます。私たちの体はストレスを感じると、それを発散しようとします。その発散方法のひとつに、歯ぎしりが考えられています。

②噛合わせのズレ
歯並びが悪かったり、いつも片側ばかりでご飯を食べていると、徐々に噛合わせ外れていきます。また歯の治療中や、抜歯後も噛合わせがズレることがあります。これらが原因となって歯ぎしりが引き起こされることがあります。

③過剰な喫煙・飲酒
近年の研究により、過剰な喫煙・飲酒は歯ぎしりと関係があることがわかってきました。アルコールやニコチンが歯ぎしりを引き起こすと考えられています。

④日常的な食いしばり
起きている時に食いしばる癖のある方は、寝ている間も食いしばりをする傾向にあります。

⑤逆流性食道炎
近年、逆流性食道がんの治療のために、胃酸分泌を抑える薬を飲み始めたら、歯ぎしりも収まったという症例があります。そのため、逆流性食道炎と歯ぎしりは関連があると考えられています。

歯ぎしりがもたらす悪影響

歯ぎしりがもたらす悪影響
歯ぎしりはねている間に起きるため、自分の体重よりも遥かに強い力が歯と顎にかかります。個人差はありますが、その力は100kg以上とも言われています。そのため歯ぎしりを放置していると、たくさんの悪影響が生じます。

①歯がかける、すり減る
毎日上下の歯がぎりぎりと擦り合わされると、歯も徐々にすり減っていきます。歯の表面のエナメル質は、体の中で一番硬い組織ですが、体重以上の力がかかると、割れたり、欠けたりしてしまいます。

②顎関節症
強い力が顎にかかり続けると、顎関節症を引き起こされることがあります。口を開けづらくなったり、開けようとすると痛みを伴うことがあります。

③詰め物が外れやすくなる
強い圧力が歯に加わると、詰め物が外れてしまったり、セラミック等であれば割れてしまうことがあります。またインプラントにも悪影響を及ぼします。

④歯周病の悪化
む歯周病で歯を支える周りの骨が少なくなったところに、強い力が何時間も加わると、さらに骨は減少していきます。そのため歯ぎしりのある方はそうでない方と比べて、歯周病の悪化スピードが早くなります。

⑤頭痛や肩こり
歯ぎしりはお口の中だけに影響を与えるだけではありません。歯ぎしりをすることによって、首や肩、頭の筋肉が固くなるため、痛みを感じやすくなります。

歯ぎしりの対処法

歯ぎしりの治療法や、対処法にはどんなものがあるでしょうか。

①マウスピース治療
自分専用のマウスピースを就寝時につけることにより、歯や顎への負担を減らすことができます。歯科医院でマウスピースを作製してもらいます。歯ぎしりが強い場合、マウスピースに穴が空くことがあります。市販されているマウスピースは、使い方を間違えると噛合わせをずらしてしまう原因になりかねません。歯科医院で自分にあったマウスピースを作成しましょう。

②噛み合わせの治療
むし歯の治療中はお口の中の噛合わせがズレてしまうことがあります。たとえば、詰め物を入れた時に少しまだ高いかなと感じても、遠慮してそのままにしてしまう方がいらっしゃいます。このちょっとした噛合わせのズレが歯ぎしりにつながることがあるため、咬合調整(噛合わせの調整)をしてもらいましょう。

③矯正治療
噛合わせのズレが歯並びの悪さから来ている場合、矯正治療をすることがあります。きれいな歯列、正常な噛合わせの位置に戻していきます。

④ストレスを発散させる
歯ぎしりの主な原因はストレスです。できるだけストレスを溜めない生活を心がけましょう。忙しくても、睡眠の時間を十分にとったり、定期的な運動をすることは、ストレス軽減に役立ちます。

歯ぎしりを放置することは危険です。適切な処置をして、歯や顎、また全身にかかる負担を減らしましょう。

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