歯科コラム

衛生士による歯科コラム

2018年05月25日 (金)

歯周病のセルフチェックと歯科医院での治療方法

歯周病。30代以上の5人に4人は歯周病にかかっていると言われています。実は世界で一番患者数の多い感染症として、ギネスブックにも記録されています。時代や人種を問わず、多くの人が悩まされる感染症なのです。他人ごととは思わず、常にご自身でもチェックしていく必要があります。今回は歯周病のセルフチェックの方法と、歯科医院での治療方法について解説していきます。

歯周病とは

歯周病とは

歯周病とは、歯周病菌によって歯の周りの歯周組織が炎症する、感染症のことです。歯と歯の間や、歯と歯ぐきの境目の溝をポケットと言いますが、そこがよく磨かれていないと、そこにプラーク(細菌の塊)が溜まっていきます。このプラークはさまざまな菌で構成されますが、その中にいくつかの歯周病菌があり、それらは繁殖する上で毒素を出していきます。その毒素によってはじめは歯ぐきが炎症を起こします。これが「歯肉炎」という状態です。
そのままその炎症を放置すると、徐々に歯を支えている周りの歯槽骨を溶かしていきます。歯槽骨が少なくなれば少なくなるほど、歯を支えきれなくなるため。歯がグラグラしていきます。最終的には自然と抜けてしまうこともあります。歯周病の直接的な原因は清掃不良なので、若い人でもなる可能性はあります。

歯周病のセルフチェック

以下の項目に当てはまるものがあるか、チェックしてみてください。
・歯を磨くと出血する
・朝起きた時に、口の中がネバネバする
・口臭がきつい
・歯ぐきが赤く腫れている
・歯ぐきから膿が出る
・前と比べて歯が伸びたように見える
・冷たいものがしみるようになった
・歯と歯の間にものが挟まりやすくなった
・固いものを噛みづらくなった
・歯がぐらぐらする
・何年も歯科医院に行っていない
以上の項目に当てはまる方は、歯周病の可能性があります。もちろんそうでない別の原因の場合もありますが、当てはまる方は歯科医院で専門家による検査を受けましょう。

歯周病の進行度

歯周病の進行度
歯周病は進行度によって分けられます。

①初期の歯周病
この時は歯ぐきに炎症が見られますが、まだ歯槽骨が溶かさるほど進行してはいません。歯周病の検査をすると、歯ぐきからの出血が認められます。また歯周ポケットの深さも2~3mm程度です。

②中程度の歯周病
歯周病菌による炎症が歯ぐきだけでなく、歯槽骨にまで影響を与えている状況です。そのためレントゲンを撮ると、歯槽骨が水平的に減っているのが見て取れます。歯が少しグラグラしてくるため、固いものなどを噛むと痛みを感じることがあります。歯周ポケットも3~5mm程度まで深くなります。歯周病の検査で歯ぐきからの出血が認められます。ご自身では気づかないかもしれませんが、家族や周りの方から指摘されるほどの口臭があるかもしれません。

③重度の歯周病
歯周病菌により、歯周組織がかなりの程度破壊されている状態です。レントゲンを撮ると、歯槽骨がかなり減っているのがわかります。歯の動揺は強く、歯が横に揺れるだけでなくたてにも沈み込むため、普通の食事が難しくなります。歯周病の検査をすると出血だけでなく、膿が認められることが多いです。歯周ポケットは5mm以上、10mm以上になることもあります。歯ぐきの腫れが強いため、歯ブラシで磨くことも痛くてできないかもしれません。強い口臭があります。

歯科医院での歯周治療

歯周病の治療のことを、歯科では「歯周治療」と呼びます。歯周治療は、歯周病の進行度に関わりなく行なわれる「歯周基本治療」や、進行度の高い歯周病に行なわれる「外科処置」があります。

①歯周基本治療
歯周病の原因は、「プラーク」とプラークが石灰化して石のように固くなった「歯石」です。この原因を取り除かなければ、歯ぐきの状態は回復しません。専用の機械で歯周ポケットの中に付着した歯石を落としていきます。歯石は一度できてしまうと、歯ブラシでは落とせません。そのため歯科医院で落としてもらう必要があります。
歯がグラグラしている場合は、かみ合わせを調整して弱い歯に負担がかからないように研磨します。
歯周病治療において、日々のご家庭でのケアはとても重要です。そのためブラッシング指導も行っていきます。

②外科処置
歯周病の進行度が高い場合、基本治療に加えて外科処置を行うことが多いです。例えば、麻酔をしてから歯ぐきを切開し、歯周ポケットの下の方に付着した歯石を落とす「フラップ手術」があります。ほかにも、歯周病菌によって溶かされてしまった歯槽骨を再生する手術などもあります。検査をし、その必要に応じてそれらの手術は行なわれていきます。

早めのケアを心がけましょう

歯周病は年齢に関わりなく、誰もがなる危険があります。「自分はまだ若いから大丈夫」とか、「毎日歯磨きしているから大丈夫」と過信することなく、定期的に歯科医院で検診を受けましょう。また、セルフチェックで引っかかった項目があるのなら、一度ご来院していただき、検査することをオススメします。早めのケアを心がけましょう。

歯を折ってしまったときの対処法、およびその後の治療方法

スポーツをしていたり、転んでしまったり、事故にあったりなどして歯を折ってしまったことがあるかもしれません。痛さと衝撃に動揺するのは無理もありません。歯を折ってしまった時、どのように対処したらいいのでしょうか?またその後歯科医院でどのような治療方法があるのでしょうか?わかりやすく解説していきます。

歯を折ってしまった時にしてほしいこと

歯を折ってしまった時にしてほしいこと

①欠片を探す
状態が良ければそのまま歯科用接着剤で着けることが可能な場合もあります。まずは欠片を探しましょう。

②根っこごと抜けた場合は、牛乳につけしましょう
ぶつけ方によっては、歯が根っこごと抜けてしまうことがあります。これを脱臼といいます。歯の根っこには、「歯根膜」という歯と歯槽骨(歯を支える周りの骨)をつなぐ膜があります。この歯根が乾燥してしまうと、歯を再び戻す(再植)ができなくなってしまうため、できれば生理食塩水に入れて乾燥を防ぎましょう。しかし、ほとんどの家庭には生理食塩水はないと思います。そこで牛乳で代用することも可能です。その際、できるだけ無脂肪牛乳を選ぶようにしてください。またポカリスエットなどを使うことも可能です。周りになにもない場合は、土などがついていたらさっと洗ってからお口の中に入れてください。その際、誤って飲み込まないようにだけ注意しましょう。

③痛みがあれば鎮痛剤を飲む
歯を折ってしまった場合、その衝撃で痛みが出ることがあります。また神経の部屋まで歯が欠けた場合、激痛が走ります。痛み止めを服用しましょう。

④出来るだけ早く歯科医院を受診する
欠けた歯を放置するのは危険です。たいして欠けていないと思ったとしても、出来るだけ早く歯科医院を受診しましょう。その際、欠けたり抜けてしまった歯を持参してください。

歯が欠けた時にしてはいけない注意点

①脱臼した歯をゴシゴシ洗わないようにしましょう
歯が抜けてしまった場合、土などの汚れを落とそうと水でゴシゴシ洗いたくなるかもしれません。しかしゴシゴシ洗うなら、歯根膜を傷つけてしまうため、再植することは不可能になります。注意しましょう。

②患部を指や舌で触らないようにしましょう
気になってつい指や舌で患部を触りたくなるかもしれません。しかし、雑菌が入る原因になりますので、刺激しないようにしましょう。

③自分で歯を接着することは絶対にやめましょう
欠けた歯を、一般の接着剤で歯に着けることは絶対にやめましょう。

④放置するのはやめましょう
歯を折ってしまったところをそのまま放置するのは危険です。たとえ痛みがなかったとしても、出来るだけ早く歯科医院を受診するようにしましょう。

その後の治療方法

その後の治療方法
では歯を折ってしまった場合、その後どのような治療をすることが可能なのでしょうか。

①欠けた歯を歯科用接着剤で着ける
状態が良く、それほど大きく欠けていない場合、そのままつけることが可能な場合があります。しかしすべてつけられるというわけではないので、歯科医師に相談しましょう。

②レジンによる修復
欠けたところをコンポジットレジンというプラスチックで修復できる場合があります。

③ラミネートベニア
欠けてしまった歯の表面を一層削り、つけ爪のように薄いセラミックを貼り付ける方法です。適応とならない場合もありますので、歯科医師に相談しましょう。

④再植
歯が根っこごと抜けてしまい、かつその歯の状態が良い場合、その歯をまた元の位置に戻すことを再植といいます。その後両隣の歯と固定します。

⑤神経の治療
歯が折れて神経の部屋が露出した場合は、神経を抜いて消毒する治療を受ける必要があります。その後、土台を入れてクラウンという被せものをします。クラウンは保険適用クラウンと保険適応外のクラウン(セラミッククラウンなど)があります。保険適応のものも、適応外のものもクラウンにはいくつか種類があるので、よく歯科医師と相談してから決めましょう。

⑥抜歯
歯が折れてしまった時、最悪の場合抜かなければならないこともあります。とくに歯にたてに割れてしまい、それが根っこの方まで続く場合は抜歯します。抜歯した後は、部分入れ歯にしたり、ブリッジ、そしてインプラントなどのいくつかの治療方法があります。それぞれの治療方法にはメリット・デメリットがありますので、自分にあった治療方法を選択しましょう。

まとめ

転ぶなどしてはが折れてしまうと、慌ててしまうかもしれません。しかしまずは落ち着いて欠けてしまった歯を探しましょう。根っこごと抜けてしまった場合は、牛乳かポカリスエット、もしくはお口の中に含んで歯科医院に行きましょう。ゴシゴシ洗ったり、乾燥させたまま放置しないように注意してください。できるだけ早く受診するようにしてください。
 そして、その後の治療にはレジンによる修復や、再植、抜歯などさまざまです。欠けてしまった歯の状況によって選択できる治療が変わってきます。よくドクターと相談するようにしてください。その時の状況にあった対処をいたします。

歯ぎしりの原因と対処法

多くの方が、寝ている間に気づかず、歯ぎしりや、食いしばりを経験しています。歯ぎしり食いしばりは、自分自身の歯や顎に大きな負担をかけてしまいますし、周りの人の睡眠を妨害してしまうこともあります。今回は歯ぎしり、食いしばりが起きる原因や、その対処法について解説していきます。

歯ぎしりとは

歯ぎしりとは

歯ぎしりとは、無意識のうちに上下の歯をこすり合わせたり、ぐっと噛みしめることです。歯ぎしりには、3つのタイプがあります。

①グラインディング
グラインディングとは、上下の歯をぎりぎりとこすり合わせるタイプの歯ぎしりです。歯のこすれ合う音が出る、最も知られている歯ぎしりのタイプです。

②クレンチング
クレンチングとは、上下の歯を強く噛みしめる、いわゆる食いしばりです。音が出ないのが特徴のため、周りの人は気づきません。

③タッピング
クレンチングとは、上下の歯を強く噛みしめる、いわゆる食いしばりです。音が出ないのが特徴のため、周りの人は気づきません。

歯ぎしりの原因5つ

歯ぎしりの原因にはいくつか考えられていますが、主な原因として5つ取り上げます。

①ストレス
歯ぎしりの原因として真っ先にあげられるのが、ストレスです。ストレス社会の現代において、年齢に関わりなく誰もがストレスを感じます。私たちの体はストレスを感じると、それを発散しようとします。その発散方法のひとつに、歯ぎしりが考えられています。

②噛合わせのズレ
歯並びが悪かったり、いつも片側ばかりでご飯を食べていると、徐々に噛合わせ外れていきます。また歯の治療中や、抜歯後も噛合わせがズレることがあります。これらが原因となって歯ぎしりが引き起こされることがあります。

③過剰な喫煙・飲酒
近年の研究により、過剰な喫煙・飲酒は歯ぎしりと関係があることがわかってきました。アルコールやニコチンが歯ぎしりを引き起こすと考えられています。

④日常的な食いしばり
起きている時に食いしばる癖のある方は、寝ている間も食いしばりをする傾向にあります。

⑤逆流性食道炎
近年、逆流性食道がんの治療のために、胃酸分泌を抑える薬を飲み始めたら、歯ぎしりも収まったという症例があります。そのため、逆流性食道炎と歯ぎしりは関連があると考えられています。

歯ぎしりがもたらす悪影響

歯ぎしりがもたらす悪影響
歯ぎしりはねている間に起きるため、自分の体重よりも遥かに強い力が歯と顎にかかります。個人差はありますが、その力は100kg以上とも言われています。そのため歯ぎしりを放置していると、たくさんの悪影響が生じます。

①歯がかける、すり減る
毎日上下の歯がぎりぎりと擦り合わされると、歯も徐々にすり減っていきます。歯の表面のエナメル質は、体の中で一番硬い組織ですが、体重以上の力がかかると、割れたり、欠けたりしてしまいます。

②顎関節症
強い力が顎にかかり続けると、顎関節症を引き起こされることがあります。口を開けづらくなったり、開けようとすると痛みを伴うことがあります。

③詰め物が外れやすくなる
強い圧力が歯に加わると、詰め物が外れてしまったり、セラミック等であれば割れてしまうことがあります。またインプラントにも悪影響を及ぼします。

④歯周病の悪化
む歯周病で歯を支える周りの骨が少なくなったところに、強い力が何時間も加わると、さらに骨は減少していきます。そのため歯ぎしりのある方はそうでない方と比べて、歯周病の悪化スピードが早くなります。

⑤頭痛や肩こり
歯ぎしりはお口の中だけに影響を与えるだけではありません。歯ぎしりをすることによって、首や肩、頭の筋肉が固くなるため、痛みを感じやすくなります。

歯ぎしりの対処法

歯ぎしりの治療法や、対処法にはどんなものがあるでしょうか。

①マウスピース治療
自分専用のマウスピースを就寝時につけることにより、歯や顎への負担を減らすことができます。歯科医院でマウスピースを作製してもらいます。歯ぎしりが強い場合、マウスピースに穴が空くことがあります。市販されているマウスピースは、使い方を間違えると噛合わせをずらしてしまう原因になりかねません。歯科医院で自分にあったマウスピースを作成しましょう。

②噛み合わせの治療
むし歯の治療中はお口の中の噛合わせがズレてしまうことがあります。たとえば、詰め物を入れた時に少しまだ高いかなと感じても、遠慮してそのままにしてしまう方がいらっしゃいます。このちょっとした噛合わせのズレが歯ぎしりにつながることがあるため、咬合調整(噛合わせの調整)をしてもらいましょう。

③矯正治療
噛合わせのズレが歯並びの悪さから来ている場合、矯正治療をすることがあります。きれいな歯列、正常な噛合わせの位置に戻していきます。

④ストレスを発散させる
歯ぎしりの主な原因はストレスです。できるだけストレスを溜めない生活を心がけましょう。忙しくても、睡眠の時間を十分にとったり、定期的な運動をすることは、ストレス軽減に役立ちます。

歯ぎしりを放置することは危険です。適切な処置をして、歯や顎、また全身にかかる負担を減らしましょう。

6歳臼歯を守る方法について

6歳臼歯という言葉を聞いたことはありますか?6歳臼歯は、一生の間使っていかなければならない歯ですが、多くの方がむし歯にしてしまいます。今回は、6歳臼歯をむし歯や、他のトラブルから守るための方法について解説していきます。

6歳臼歯とは

6歳臼歯とは

6歳臼歯とは、その名の通り、6歳ごろに生えてくる歯で、多くの子どもの場合一番最初の大人の歯です。第一大臼歯とも言います。1番奥の乳歯のさらに後ろから歯ぐきを突き破って生えてきます。この6歳臼歯は永久歯の中でも特に重要な役割を果たします。上下左右の6歳臼歯で噛む力の85%を担うと言われているほど、一番強い歯です。また、6歳臼歯は一番はじめに生えてくる奥歯の永久歯ため、上下の噛み合わせの位置を決める働きもします。とても重要な歯なのです。

6歳臼歯によく起きるトラブル4つ

6歳臼歯はとても重要な歯ではありますが、同時にトラブルに見舞われやすい歯でもあります。例えば、以下のトラブルが起きることがあります。

①むし歯
6歳臼歯をむし歯にしてしまう子は多いです。一番奥に生えてくるため気付かず、磨きそびれてしまうことがあります。また生えたての歯は、歯ぐきがまだ半分かぶっていたり、手前の乳歯との高さが異なるため、磨きづらくむし歯にしてしまうことがあります。加えて、乳歯と比べると噛み合わせの溝が深く、複雑なため、汚れが残りやすいことも、原因となります。

②歯ぐきの腫れ
6歳臼歯は、歯ぐきを突き破って生えてきます。完全に歯ぐきから出るまでは歯と歯ぐきの境に食べ物のカスが溜まり、細菌が繁殖しやすくなります。そのため、歯ぐきが炎症を起こして腫れたり、痛みが出ることがあります。

③噛むと痛い
上記のように歯ぐきが腫れると、噛んだ時に腫れた歯ぐきに歯が当たって、痛みが生じることがあります。

④6歳臼歯が乳歯に引っかかって出てこない
6歳臼歯が斜めに生えてくると、手前の乳歯に引っかかってしまい、生えてこれなくなることがあります。

6歳臼歯をトラブルから守る方法

6歳臼歯をトラブルから守る方法

①ていねいに磨く
6歳臼歯をむし歯や歯ぐきの腫れから守るのに一番大切なことは、毎日の歯磨きです。6歳臼歯を磨く際は、まず歯ブラシを奥まで持っていってから、頬側に歯ブラシの持ち手をずらします。斜めの角度から歯ブラシを当てることにより、たとえ手前の乳歯との高さが異なっていても、6歳臼歯を磨くことができます。また、歯ぐきがまだかぶっているときは、タフトブラシを活用しましょう。タフトブラシとは、毛先が円錐形、もしくは三角錐になっている小さな歯ブラシです。細かいところに届きやすく、歯ブラシでは磨けない歯と歯ぐきの境目を磨くことができます。

②毎晩の仕上げ磨き
6歳前後の子どもは、まだ自分で歯をしっかりと磨くことができません。そのため、1日1回、できれば夜に大人の方が磨くようにしましょう。お子さんを膝の上に寝かせて、お口の中をよく覗き込みながら、6歳臼歯にしっかりと歯ブラシが当たっていることを確認して磨くようにしてください。

③フッ化物応用
ご自宅で簡単にフッ素を使用する方法は、フッ素配合の歯磨き剤を使用することです。できるなら発泡剤の入っていないジェルタイプのフッ素入り歯磨き剤を使用しましょう。500~1000ppmのフッ素濃度の歯磨き剤を使用すると効果的です。
また、年に2回は歯科医院でのフッ化物塗布をしてもらいましょう。歯科医院で使用されているフッ素は市販されているものよりも高濃度のため、よりむし歯予防に効果的です。生えてきたばかりの歯はまだ弱いため、その時期にフッ化物塗布をすると、より効果を期待できます。

④シーラント
シーラントとは、歯科医院で6歳臼歯の噛合わせの溝をプラスチックで埋める予防処置です。6歳臼歯の溝はとても深く、また複雑なため、食べ物が残りやすく、磨き残しやすいです。これが原因となってむし歯になってしまいます。シーラントをするなら、溝が埋められるため、食べ物が残る心配はありませんし、歯磨きもしやすくなります。

⑤定期的な歯科検診
気付かない間にむし歯になっていたり、その他のトラブルがお口の中で起きていることがあります。そのため、3ヶ月に1度、もしくはそれよりも早い頻度でお口の中を検診してもらったり、クリーニングしてもらいましょう。そしてその時に、歯科衛生士からブラッシング指導も受けるようにしましょう。

まとめ

6歳臼歯は奥に生えてくるため、磨きづらく、また噛合わせの溝が深い歯です。そのため歯ぐきが腫れたり、むし歯などのトラブルが起こりやすいです。6歳臼歯を守るために、以下のことを行いましょう。
・毎日の丁寧な歯磨き
・毎晩の仕上げ磨き
・フッ化物応用
・シーラント
・定期的な歯科検診
6歳臼歯は一生の間使っていかなければならない歯です。毎日のセルフケア、そして歯科医師、歯科衛生士と協力しながらお子さんの歯を守っていきましょう。
気になることがあれば、ぜひ遠慮なくご相談ください。

口臭予防について

自分の口臭や、他の人の口臭が気になったことは、どなたでも経験があると思います。スメルハラスメント、つまり臭いによるハラスメントについて、よく取り上げられるようになりました。ある製薬会社が行ったアンケートでは、スメルハラスメントの約80%が“口臭”でした。他の人に不快な思いをさせないために、どのようなことができるでしょうか?今回は口臭の原因や、具体的な口臭対策について解説していきます。

口臭の原因

口臭の原因

口臭の原因のおよそ60%は“舌苔”からきていると言われています。舌苔とは、舌の表面に苔のように付着した汚れのことです。舌の表面はザラザラしているため、そこにお口の中の粘膜のアカや細菌がたまりやすくなります。舌を鏡で見た時に、通常は少し白っぽい色をしていますが、舌苔が多いと真っ白になったり、ひどい場合は茶色、黒色に汚れが付着します。この舌苔から臭いの原因物質が発生します。
 臭いの原因物質は、「揮発性硫黄化合物(硫化水素、メチルメルカプタンなど)」です。このメチルメルカプタンや硫化水素は歯周病菌によって発生します。

口臭の種類

大きく分けて、2種類あります。

①生理的口臭
生理的口臭とは、唾液減少に伴い、自然と発生する口臭のことです。例えば以下の状況が挙げられます。
・起床時
・空腹時
・緊張時
私たちの唾液には、抗菌作用があります。そのため、唾液の分泌量が多いときは、口臭が抑えられます。逆に少ないと、お口の中の細菌は増殖します。そのため、口臭が強くなります。

②病的口臭
病的口臭とは、その名の通り、何らかの疾患が原因で生じる口臭です。例えば以下の疾患が挙げられます。
・歯周病
   歯周病菌は臭いの原因物質を発生させます。メチルメルカプタンは腐敗したたまねぎのような臭いを発生させますし、硫化水素は腐敗した卵のような悪臭を放ちます。
  ・むし歯
   あまり知られていないかもしれませんが、むし歯も口臭の原因となります。歯に穴が開いていると、そこに細菌が繁殖するため、口臭が生じます。
  ・蓄膿症
   副鼻腔に膿がたまると、口臭の元となります。
  ・胃疾患
   胃潰瘍などはピロリ菌が引き起こすと考えられていますが、このピロリ菌は口臭の原因ともなります。
・糖尿病などの全身疾患
   糖尿病の方は、独特の甘酸っぱい口臭がします。

簡単にできる口臭対策

簡単にできる口臭対策
では、どのように口臭を防いだら良いのでしょうか。原因を見極めてから、対策する必要が
あります。

①舌磨きをしましょう
多くの場合、舌苔が口臭の原因になります。歯磨きだけではなく、舌を磨く習慣をつけましょう。しかし、歯ブラシで舌を磨くと表面を傷つけてしまう危険があります。専用の舌ブラシを使用してください。奥から手前に一歩方向に、汚れをかき出しましょう。この時、優しい力で行うように意識してください。舌磨きは1日1回を目安に行いますが、一番良いタイミングは朝です。寝ている間は唾液が分泌されないため、お口の中の細菌が一番増えてしまいます。それに伴い、舌苔の量も増えます。そのため、起床時に舌磨きを行うようにしましょう。

②唾液の分泌量を増やしましょう
唾液が少ないために口臭がある方は、唾液の量を増やすように努力しましょう。唾液腺マッサージをすると、唾液量が増えます。唾液腺は、舌下腺、顎下腺、耳下腺の3つあります。顎の下を親指で円を書くように押すと、舌下腺を刺激することができます。エラが張っている部分の少し下をマッサージすると、顎下腺を刺激することができます。こめかみの少し下をマッサージすると、耳下腺を刺激することができます。他にもガムを噛んだりして、唾液量を意識的に増やしましょう。

③歯周治療を受ける
歯周病が原因で口臭がある場合は、歯科医院で歯周治療を受ける必要があります。歯ぐきより上にある歯石(縁上歯石)や歯ぐきのポケットの中に潜んでいる縁下歯石を専用の機械で落とす必要があります。そうすると徐々に腫れていた歯ぐきが引き締まってきます。お口の中の歯周病菌数を減らすことができるため、口臭を減らすことができます。

④むし歯治療を受ける
むし歯が原因で口臭がある場合は、むし歯の治療をしなければなりません。

⑤全身疾患の治療を行う
口臭の原因がお口の中以外にある場合は、専門の病院で治療してもらう必要があります。

まとめ

口臭の原因はさまざまですが、ほとんどの場合、お口の中に原因があります。
・舌苔
・歯周病
・むし歯
・唾液量の減少
・蓄膿症や糖尿病などその他の全身疾患
口臭を防ぐためには、それぞれの原因に合った予防処置や治療を受ける必要があります。舌ブラシで毎朝舌磨きをしたり、お口の中のクリーニングをして、清潔な状態を保ちましょう。また、むし歯を放置せず、早めに治療をするようにしてください。その他の全身疾患の場合は、専門の病院で治療を受けましょう。
周りの人に不快な思いをさせないためにも、是非試してみてください。
しのぶ歯科インプラントセンターでは、歯科医師、歯科衛生士が一丸となって、患者様のお口の健康をお守りいたします。

むし歯のメカニズムについて

お口の中の病気にはさまざまなものがありますが、2大疾患と呼ばれているのは、“歯周病”、そして“むし歯”です。むし歯で痛い思いをした経験のある方がいらっしゃると思います。どうして虫歯になってしまうのでしょうか?今回はむし歯のメカニズム、そしてむし歯を予防するためにできることについて解説していきます。

むし歯のメカニズム

むし歯のメカニズム

むし歯とは、むし歯菌であるミュータンス菌が作り出す酸により、歯が徐々に溶けて穴が空いてしまう病気です。しかし、むし歯はこのミュータンス菌だけが要因となっているわけではありません。そこにはおもに4つの原因が関係しています。

①細菌
まず1つ目の原因は、“細菌”です。上記にあるように、ミュータンス菌がむし歯の直接的な原因となります。ミュータンス菌は私たちのお口の中に常在している細菌で、食べ物や飲み物の中に含まれる「ショ糖」を分解して酸を作り出します。歯がこの酸にさらされ続けると、歯の表面のエナメル質からカルシウムやリンなどが徐々に溶け出して穴が空きます。他にも、ラクトバチラス菌というむし歯菌の一種もむし歯の進行に関与します。

②糖分
ミュータンス菌はショ糖を分解して酸を作り出すため、糖分もむし歯の原因となります。甘い食べ物、甘い飲み物をよく取り入れる方は、むし歯になりやすくなります。

③歯質
歯の質は個人差があります。エナメル質がもともと強い方は、酸にさらされても溶けにくいです。一方で、エナメル質が弱い方は歯磨きをしていてもむし歯ができやすく、その進行も早いことがあります。また歯の質だけでなく、歯並びもむし歯に影響を与えます。歯並びが悪いと汚れをきれいに落とすのは難しいです。そのためむし歯になりやすい環境になります。

④時間
最後は“時間”です。時間がなければ、むし歯になることはありません。お口の中が汚れている時間が長ければ長いほど、むし歯になりやすくなります。また、甘いものをダラダラと食べたり飲んだりすることも危険です。私たちの唾液には酸性になったお口の中を中性に戻そうとする働きがありますが、この過程には30分~40分程度かかります。甘いものを食べたり飲んだりしてから、30分も経たずにまた甘いものがお口の中に入ると、唾液の中和作用が追いつきません。そのためお口の中が常に酸性状態になり、むし歯が進行しやすくなります。

むし歯の原因はおもに4つありますが、これらの原因が重なってはじめてむし歯ができます。

むし歯を予防するためにできること

むし歯を予防するためにできること
では、むし歯を作らないために、具体的にどんなことができるでしょうか。

①ダラダラ食べる習慣を止める
先ほども書いたように、ダラダラ食べたり飲んだりする習慣のある方は、むし歯になりやすく、また進行も早いです。甘いものを全く食べないようにする必要はありませんが、時間を決めて食べるようにしましょう。

②食後の歯磨き
お口の中が汚れていると、それをエサにしてミュータンス菌が増えていきます。基本的なことですが、食べたあとは歯磨きをして、お口の中をきれいな状態にしましょう。仕事などで磨く時間がないという方は、うがいだけでもするように心がけましょう。しかし、夜は必ず磨くようにしてください。寝ている間は菌が最も繁殖します。そのため、夕食後、もしくは就寝前はできれば10分ほど時間をかけて、ていねいに磨くことを意識しましょう。

③フッ素を活用する
「フッ素は歯を強くする」と聞いたことがあると思います。フッ素は歯の質を強化して、酸に負けない丈夫な歯を作るのを助けてくれます。一番簡単なフッ素の活用方法は、フッ素入りの歯磨き剤を使用することです。しかし、ご家庭で使用できるのは低濃度のフッ素です。そのため、定期的に歯科医院での高濃度のフッ化物塗布をおすすめします。フッ化物塗布はお子さんにのみ効果的と思われるかもしれませんが、大人の方にも効果はあります。気になる方はぜひご相談ください。

④デンタルフロスまたは歯間ブラシを使用する
ていねいに磨いているつもりでも、歯と歯の間は歯ブラシでは磨くことができません。そのため、デンタルフロスまたは歯間ブラシで清掃しましょう。1日1回、できれば夜に使用しましょう。

⑤歯科医院での定期クリーニング
一生懸命磨いているつもりでも、完全には汚れを落とすことはできません。そのため、定期的に歯科医院を受診し、プロにお口の中をクリーニングしてもらいましょう。できれば3ヶ月に1回、少なくとも6ヶ月に1度はお掃除してもらいましょう。

まとめ

むし歯の主な原因は、“細菌”、“糖質”、“歯質”そして“時間”です。これらの要因が重なってはじめてむし歯ができます。むし歯を予防するために、ダラダラ食べる習慣をやめ、フッ素を活用したり、丁寧な歯磨きを心がけましょう。また歯科医院での定期的なクリーニングを受けるようにしましょう。しのぶ歯科インプラントセンターでは、患者さまのお口の健康をサポートしてまいります。

抜歯後の治療方法について

むし歯や歯周病、破折などが原因で歯を抜かなければならないことがあります。しかし、抜いた歯をそのまま放置することはとても危険なことです。今回は抜歯後の治療を放置することの危険性や、抜歯後の治療方法について解説していきます。

抜歯後に放置するとどんな危険があるのか

抜歯後に放置するとどんな危険があるのか

抜歯の原因の大半は歯周病、そしてむし歯です。しかし、転倒や交通事故などの被害によって抜歯せざるを得ない状況になることもあります。1本くらい歯がなくても大丈夫と思い、放置してしまう方が中にはおられますが、それはとても危険なことです。

①前後の歯が傾く
抜歯をするとその空いたスペースを埋めようとして、抜いた歯の前後が傾いてきます。

②噛合わせの歯が出てくる
前後の歯が動くだけでなく、噛み合わせた歯(対合歯)も徐々に出てきます。

③噛合わせが崩れる
上記にあるように歯がなくなったスペースを埋めようと他の歯が動いてくるため、噛みが徐々にズレてしまいます。よく噛むことができなくなり、胃腸への負担も増えます。

④顔の形が歪む
私たちは無意識のうちに噛みやすい方で食事をします。そのため歯が少ない方ではなく、しっかりと残っている方で噛むことを好むようになります。そうすると片方に負担がかかりやすくなるため、顔の形も歪んできます。

⑤周りの歯がむし歯や歯周病になりやすくなる
歯は噛み合わさることによって、汚れを落とす働きをします。しかし噛み合う歯がないと、その歯に汚れがつきやすくなります。そのため、むし歯になったり、歯ぐきが炎症を起こして、歯周病になるリスクが高くなります。

⑥体のバランスが崩れる
噛合わせが崩れると、全身のバランスも崩れます。そのため肩こりや、頭痛などの症状が出る場合があります。

⑦発音、滑舌が悪くなる
歯を1本失うだけでも、特定の言葉の発音が悪くなる場合があります。

⑧見た目が悪い
奥歯はあまりわからないかもしれませんが、前歯をなくした場合見栄えが悪くなり、人前で笑えなくなるかもれません。

抜いた歯を放置すると、さまざまな危険があるのです。

抜歯後の治療方法

抜歯後の治療方法

では、抜歯後の治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか。治療方法と、それぞれのメリット、デメリットについて解説していきます。

①部分入れ歯
入れ歯は1本の欠損から全顎欠損まで広範囲に適応できます。
〈メリット〉
・着脱式のため、清掃しやすい
・保険が適応されるため、治療費が安い
・治療期間が短い
・他の歯を大きく削ったりする必要がない
〈デメリット〉
・前後の歯にバネがかかるため審美的に悪い
・違和感がある
・噛みづらい
・審美的、機能的に良いものにすると保険外治療となり医療費が高額

②ブリッジ
ブリッジとは、抜歯された前後の歯を削り、そこに連結されたクラウン(冠)をかぶせて、歯がなくなった部分を補う治療方法です。健康な2本の歯を支柱として、橋をかけるように人工の歯を入れるため、2本の歯で3本分の力を支えます。
〈メリット〉
・天然歯と同じような感覚で噛める
・違和感が少ない
・保険が適応されるため、治療費が安い
〈デメリット〉
・前後の歯を大きく削る必要がある。むし歯にもなっていない健康な歯の神経を取らなければならなくなる
・連結されているため清掃が難しい
・清掃が難しいため、むし歯(二次カリエス)になりやすい
・清掃が難しいため、歯周病になりやすい

③インプラント
インプラントとは、抜歯された歯のスペースの歯ぐきを切開して、歯槽骨と呼ばれる歯を支えている骨に人工歯根を埋め込みます。その後土台、人工歯をたてていきます。
〈メリット〉
・天然歯のような噛み心地を味わえる
・違和感が少ない
・審美性に優れている
・他の歯を傷つける必要がない
・発音が安定している
〈デメリット〉
・治療期間が長い(3ヶ月から10ヶ月ほど)
・2回外科手術が必要
・治療費が高額(平均30~40万円ほど)
・重度の糖尿病や骨粗しょう症などの持病がある方は治療できない可能性がある
・メンテナンスを怠ると、インプラントが歯周病になることがある

インプラント治療はとてもよいものです。しかし、治療後のメンテナンスをすることは欠かせません。毎日ていねいに歯を磨き、そしてデンタルフロスで歯と歯の間の汚れを落としましょう。そして、定期的に歯科医院でのクリーニングを受けましょう。できれば月に1度、少なくとも3ヶ月に一度は検診に行き、インプラントの状態を診てもらいましょう。

歯科医師とよく相談し自分にあった治療を見つけましょう

抜歯した部分を放置することはとても危険です。前後の歯が傾いたり、嚙み合わせている歯(対合歯)が出てきてしまうため、噛み合わせのバランスが崩れます。そのため、抜歯したあとも治療する必要があります。
 主な治療法としては、入れ歯、ブリッジ、そしてインプラントがあります。それぞれの治療方法にはメリット、デメリットがありますし、場合によっては特定の治療方法を受けられない可能性もあるため、あらかじめ歯科医師とよく相談した後に、決めるようにしましょう。

親知らずは抜いたほうがいいのか?メリット・デメリットを解説します

「親知らずを抜いたほうがいいですか?」とよく患者さんから聞かれます。親知らずを抜くとその後痛くなったり、腫れたりするイメージがあるかもしれません。親知らずは全て抜く必要があるのでしょうか?今回は親知らずを抜く場合、抜かない場合のメリット・デメリットについて解説していきます。

親知らずとは

親知らずとは

親知らずとは、第三大臼歯、または智歯とも呼ばれる、永久歯の中で最も奥に生えてくる大臼歯のことです。20歳前後に生えてきます。親が知らない間に生えてくることが、親知らずの名前の由来と言われています。

親知らずを残したときのメリット

では、親知らずを残したときにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

①将来、入れ歯やブリッジの土台として使える
例えば、親知らずの一本手前の第二大臼歯が何らかの原因で抜歯した場合、親知らずがあればその歯を土台として、ブリッジという治療の選択ができる可能性があります。入れ歯を作るにしても、親知らずがあることによって、入れ歯の安定性が高まります。

②移植に使える
どこかの歯が抜歯された場合、そこに親知らずを移植するという治療方法があります。

親知らずを残したときのデメリット

①むし歯になりやすい
歯ブラシがどうしても届きづらいため、むし歯になりやすいです。親知らずがむし歯になるだけでなく、その1本手前の歯までむし歯にしてしまう可能性があります。

②智歯周囲炎になりやすい
半分だけ生えている親知らずに特に多いのですが、歯磨きがうまくできないため、親知らずの周囲の歯ぐきが腫れて炎症を起こしやすいです。強い炎症を繰り返していると、そこから膿が出てきます。この状態を放置していると、親知らずの周りの歯槽骨も徐々に溶けてしまいます。歯槽骨は他の歯と共有しているので、親知らずがあることによって、手前の第二大臼歯まで歯周病になってしまう可能性もあります。

③口臭の原因になる
智歯周囲炎になって膿が出ていると、口臭の原因になります。

抜歯したときのメリット

では、抜歯したときのメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

①歯周病・むし歯を予防できる
親知らずを抜くことにより、歯磨きをしやすくなります。よく磨けるようになればその分、むし歯や歯周病になるリスクを減らすことができます。親知らずが虫歯になったり歯周病になった場合は抜歯すれば解決しますが、親知らずがあるせいで一生使う必要がある第二大臼歯までむし歯や歯周病になるのは、とてももったいないことです。親知らずを抜くなら、第二大臼歯を守ることができます。

②口臭が改善される
親知らずが原因の口臭は、親知らずを抜くことによってそれまでどんなに磨いていてもとれなかった口臭を、改善することができます。

抜歯することのデメリット

①抜歯後、数日腫れることがある
腫れるピークは1~3日ほどです。特に下の親知らずは歯槽骨が固く、抜きづらいため腫れが長引くことがあります。

②抜歯後、数日痛むことがある
抜歯をしている間は麻酔をするため、痛みを感じることはありません。しかし、麻酔が切れた時に痛みが出ることがあります。歯科医院から処方される抗生物質、痛み止めを用法・用量を守って服用しましょう。

すべての親知らずを抜いたほうがいいわけではない

すべての親知らずを抜いたほうがいいわけではない

親知らずは、なにがなんでも抜かなければいけないわけではありません。
例えば、完全埋伏歯、つまり親知らずが骨の中にしっかりと埋まっており、今後生えてくる見込みのない歯を無理に骨を削って取り出すのは、かえって体への負担が大きくなります。抜くべきか、抜かないべきかはそれぞれの親知らずによって異なります。親知らずの生えている方向、現在親知らずに何らかの症状が出ているか、患者さん自身の健康状態などをレントゲンやCTを撮って総合的に考慮する必要があります。歯科医師とよく相談した上で決めましょう。
しかし、親知らずの周りの歯ぐきが腫れて痛みがあるときには、抜歯ができません。痛みがあるときは麻酔が効かないからです。その際は、一度親知らずの周りを洗浄し、薬を飲んで腫れが引いてから、抜歯になります。

妊娠を希望している方は、早めの抜歯がおすすめ

妊娠するとホルモンのバランスが崩れたり、つわりで歯磨きが普段通りにできなくなるため、親知らずが痛くなることがあります。通常なら抜歯すればいいのですが、妊娠中は母体や胎児への影響をできるだけ少なくするために、レントゲン撮影や、お薬の服用はなるべく控えたほうが望ましいです。そのため妊娠を希望している方は、その前に抜歯する方が良いでしょう。よく歯科医師と相談した上で、決めましょう。

まとめ

親知らずを残すなら、将来移植に使用できたり、ブリッジや入れ歯の土台として使えるかもしれません。しかし、むし歯や歯周病、さらに口臭の原因となることもあります。抜くべきか、抜かないべきかよく歯科医師と相談した上で、決めていきましょう。

知覚過敏―その原因と対処法

冷たいものを食べたり飲んだりした時に、歯に痛みを感じたことはありませんか?それは知覚過敏症かもしれません。これから寒くなるにつれ、知覚過敏の方は特に敏感になりやすい季節と言えます。今回は知覚過敏の原因と対処法、また治療法について解説していきます。

知覚過敏とは?

知覚過敏とは?

知覚過敏とは、歯の知覚が過敏になってしみたり、痛みを感じたりすることです。歯の表面は、エナメル質という体の中で一番硬い組織によって覆われています。そしてこのエナメル質の下に“象牙質”という組織があります。象牙質はエナメル質よりも柔らかい組織で、歯の根元の方はエナメル質がなく、象牙質で覆われています。
象牙質は、“象牙細管”と呼ばれる細い管によって構成されています。細いストローをいくつも束にしたような構造です。この象牙細管は歯の神経へとつながっており、管の中には象牙細粒という細かい粒子があります。この粒子が機械的な刺激を受けたり、冷たいものなどが当たったりすると、刺激が神経の方へ伝達されるため、“しみる”と感じたり、“痛い”と感じるようになります。これが知覚過敏のメカニズムです。

知覚過敏の原因

知覚過敏の原因にはいくつか考えられます。

①歯肉退縮
歯周病や加齢などが原因で歯ぐきが下がると、歯の根元が露出してしまいます。歯の根元は象牙質によって覆われているため、ここに冷たいものが当たったり、歯ブラシでこするなどの機械的な刺激が加わると、しみたり痛みを感じることがあります。

②歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしり、食いしばりはストレスなどが原因と考えられていますが、寝ている間は意識がないため、自分の体重以上の力が歯にかかります。そうするとエナメル質がこすれたり、削れたり、割れたりして象牙質が露出します。結果、知覚過敏の症状が出ます。

③誤ったブラッシング
歯磨きの仕方を間違えることによっても、知覚過敏を引き起こすことがあります。必要以上に強い力でゴシゴシ磨くと、歯の根元を削ってしまう可能性があります。エナメル質の場合は硬いため、歯ブラシで削ってしまうことはほとんどありません。しかし歯肉退縮により歯の根元の象牙質が露出していると、ブラッシング圧により象牙質を削ってしまうことがあります。そのため知覚過敏が生じます。

④歯の破折
転倒したりするなど、何らかの原因によって歯が破折すると、象牙質が露出し知覚過敏が生じることがあります。

⑤酸蝕症
酸蝕症とは、歯が酸に長時間さらされることにより、エナメル質が溶け、象牙質が露出してしまうことです。

⑥むし歯、および虫歯治療後
むし歯になるとエナメル質に穴が空き、象牙質が露出すると冷たいものでしみることがあります。また、虫歯治療をしたとしても、むし歯の部分を削ったときの刺激や、薬剤の刺激により一時的に歯がしみることがあります。

⑦歯石除去後
歯石を除去すると、それまで歯石によって覆われていた部分が露出するため、一時的に知覚過敏が生じることがあります。

⑧ホワイトニング
ホワイトニングをすると、一時的に薬剤の影響により個人差はありますが、歯がしみることがあります。

自分でできる知覚過敏の対処法

知覚過敏の自分でできる対処法にはいくつかの方法があります。

自分でできる知覚過敏の対処法

①ブラッシング圧を弱くする
ゴシゴシとつい力を入れて歯を磨くクセのある方は、力を弱めましょう。歯ブラシを握るように持っている方は、えんぴつ持ちに切り替えましょう。ムダな力がかからず、歯を磨くことができます。

②知覚過敏用歯磨き剤を使用する
知覚過敏が軽度であれば、知覚過敏用の歯磨き剤を使用することである程度症状を抑えることができます。硝酸カリウムが配合されているものを選びましょう。

③食いしばりを意識的にやめる
歯を食いしばるクセのある方は、意識的に食いしばりをやめましょう。

歯科医院で行う治療方法

知覚過敏の症状が強い場合、歯科医院で治療する必要があります。

①知覚過敏用の薬剤を塗布する
知覚過敏の症状を抑える薬剤を歯の表面に塗布します。

②表面をコーティングする
象牙細管の表面にコーティング剤を塗布することにより、刺激が神経に伝達されることを防ぎます。

③削れている部分をプラスチックで埋める
歯の根元の部分が削れてしまっている場合、そこを保護するためにプラスチックで埋めます。

④フッ素塗布する
フッ素は虫歯予防に効果的なだけでなく、知覚過敏の症状を抑える働きもあります。

⑤マウスピースを作製する
食いしばりは意識することである程度抑えられますが、歯ぎしりは無意識のうちに行なわれているため、コントロールするのが難しいです。そのため、マウスピースを使用することにより歯にかかる負担を軽減させることができます。

⑥神経を取る
上記の治療法を行ってもまだ知覚過敏の症状が強い場合、神経を取ることがあります。神経を取ってしまえばしみたり痛みを感じることはありませんが、歯の寿命は短くなります。

まとめ

知覚過敏には幾つかの原因もあり、その対処法や治療方法もさまざまです。当医院でも知覚過敏の患者さまへの治療を行っております。気になる症状のある方は、歯科医師または歯科衛生士に遠慮なくご相談ください。

むし歯予防にフッ素を活用しましょう

むし歯を予防する方法にはいくつかありますが、そのひとつに「フッ素」があります。テレビのコマーシャルでもおなじみのフッ素ですが、どうしてむし歯予防に効果的なのでしょうか?今回はフッ素とは何か、フッ素の効果、使用方法について解説していきます。

フッ素とは何か?

フッ素とは何か?

フッ素は原子番号9番で、ごく身近な私たちの生活にも含まれている元素です。例えば、魚、お茶や塩の中にもフッ素は含まれています。フッ素と聞くと毒とイメージされる方も中にはいらっしゃいます。確かにフッ素自体には金属を溶かしてしまうほどの毒が含まれていますが、一般的に歯科で使われるフッ素は「フッ化物」です。フッ化物はフッ素ほどの毒性はありません。用法・用量を守るなら、むし歯を予防するなどの良い効果を得られます。

フッ素がむし歯予防に効果的な理由

では、どうしてフッ素にはむし歯を予防する効果があるのでしょうか。主な理由は3つあります。

①歯の再石灰化促進作用
歯の表面はエナメル質という硬い組織で覆われています。このエナメル質は、お口の中に食べ物や飲み物が入り、pH5.5以下になると徐々にリンやカルシウムなどの無機質が溶け始めます。これを“脱灰”と言います。通常は唾液が酸性に傾いたお口の中を中性に戻そうとする働きをします。そして唾液の中のリンやカルシウムが再び歯に取り込まれることを“再石灰化”と言います。フッ素には、この再石灰化を促す作用があります。フッ素があることにより、カルシウムが歯の表面に戻りやすくなり、歯を修復するのを助けてくれます。

②歯質の強化作用
フッ素は、歯の質を強くする効果があります。フッ素が歯に取り込まれると、そこで「フルオロアパタイト」という結晶を作り出します。そのため、酸にさらされても溶けにくい、強い歯を作ることができます。

③ミュータンス菌の働きを抑える
ミュータンス菌とはむし歯菌の名前ですが、このミュータンス菌はお口の中に入ってきた食べ物や飲み物の中に含まれる糖質を分解するときに、酸を作り出します。この酸がむし歯の原因となりますが、フッ素はミュータンス菌が酸を作り出す働きを抑えます。酸が産生されないため、むし歯になりにくくなるのです。

自宅でできるフッ化物の応用方法

①歯磨き剤
歯磨き剤の中には、フッ化物が配合されたものがあります。フッ素濃度を表すために、“ppm”という単位が用いられています。日本薬事法により、日本では1000ppmまでの歯磨き剤へのフッ化物の使用が認められています。歯磨き剤を購入する際は、フッ化物濃度も確認しましょう。

②フッ化物洗口剤
寝る前などにフッ化物の入った洗口剤でうがいすることも、むし歯予防に効果的です。

歯科医院で行うフッ化物の応用方法

歯科医院では、高濃度のフッ化物塗布を行います。お口の中をキレイにしてから、乾燥させ、フッ化物塗布を行います。歯科医師、歯科衛生士のみができる予防方法です。自宅で行う低濃度のフッ化物応用と、歯科医院で行う高濃度のフッ化物応用を併用するなら、むし歯を予防するための高い効果が得られます。歯科医院でのフッ化物塗布は少なくとも年に2回は行うようにしましょう。

子どもから高齢の方まで効果のあるフッ素

子どもから高齢の方まで効果のあるフッ素

“フッ素”と聞くと、子どもに使用するものと思われるかもしれません。しかし、大人の方、高齢の方にも効果的です。特に以下の方には、フッ化物の使用は効果的です。

・生えてきたばかりの乳歯
生えてきたばかりの歯はまだ弱く、むし歯になりやすいです。1歳6ヶ月健診のときに歯科健診がありますが、その際に歯科医師に相談し、フッ化物使用の方法を指導してもらいましょう。

・学童期
6歳ごろから徐々に乳歯が永久歯へと変わり始めます。永久歯も生えたての頃は歯の質が弱いため、むし歯になりやすいです。自宅でのフッ化物応用だけでなく、歯科医院でのフッ化物塗布をしてもらいましょう。

・思春期
思春期は、勉強や部活動などの学校生活が忙しく、生活習慣が乱れやすい時期です。保護者からの仕上げ磨きも終わり、自分で磨くようになるため、どうしてもむし歯になりやすくなります。そのためフッ化物の応用によって、むし歯を予防する必要があります。

・矯正中の方
矯正をしていると、矯正装置が邪魔をして歯磨きがうまくできません。矯正装置を外した時にむし歯になっていないように、フッ化物を使用して、むし歯を予防しましょう。

・高齢の方
歯周病や、加齢とともに歯ぐきは下がります。そうすると歯の根元が露出しますが、ここは象牙質という柔らかい組織でできているため、磨き残しなどがあるとむし歯になりやすくなります。根面がむし歯になるのを予防するために、フッ化物を使用することをおすすめします。

まとめ

フッ化物は再石灰化を促進したり、歯の質を強化したり、むし歯菌の働きを抑える効果があります。フッ化物が配合された歯磨き剤や、洗口剤を使用しましょう。そして、少なくとも年に2回は歯科医院で高濃度のフッ化物塗布をしてもらいましょう。当医院でも、状況に応じて3ヶ月から6ヶ月ごとのフッ化物塗布を行っております。

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