歯科コラム

衛生士による歯科コラム

2018年03月23日 (金)

口臭予防について

自分の口臭や、他の人の口臭が気になったことは、どなたでも経験があると思います。スメルハラスメント、つまり臭いによるハラスメントについて、よく取り上げられるようになりました。ある製薬会社が行ったアンケートでは、スメルハラスメントの約80%が“口臭”でした。他の人に不快な思いをさせないために、どのようなことができるでしょうか?今回は口臭の原因や、具体的な口臭対策について解説していきます。

口臭の原因

口臭の原因

口臭の原因のおよそ60%は“舌苔”からきていると言われています。舌苔とは、舌の表面に苔のように付着した汚れのことです。舌の表面はザラザラしているため、そこにお口の中の粘膜のアカや細菌がたまりやすくなります。舌を鏡で見た時に、通常は少し白っぽい色をしていますが、舌苔が多いと真っ白になったり、ひどい場合は茶色、黒色に汚れが付着します。この舌苔から臭いの原因物質が発生します。
 臭いの原因物質は、「揮発性硫黄化合物(硫化水素、メチルメルカプタンなど)」です。このメチルメルカプタンや硫化水素は歯周病菌によって発生します。

口臭の種類

大きく分けて、2種類あります。

①生理的口臭
生理的口臭とは、唾液減少に伴い、自然と発生する口臭のことです。例えば以下の状況が挙げられます。
・起床時
・空腹時
・緊張時
私たちの唾液には、抗菌作用があります。そのため、唾液の分泌量が多いときは、口臭が抑えられます。逆に少ないと、お口の中の細菌は増殖します。そのため、口臭が強くなります。

②病的口臭
病的口臭とは、その名の通り、何らかの疾患が原因で生じる口臭です。例えば以下の疾患が挙げられます。
・歯周病
   歯周病菌は臭いの原因物質を発生させます。メチルメルカプタンは腐敗したたまねぎのような臭いを発生させますし、硫化水素は腐敗した卵のような悪臭を放ちます。
  ・むし歯
   あまり知られていないかもしれませんが、むし歯も口臭の原因となります。歯に穴が開いていると、そこに細菌が繁殖するため、口臭が生じます。
  ・蓄膿症
   副鼻腔に膿がたまると、口臭の元となります。
  ・胃疾患
   胃潰瘍などはピロリ菌が引き起こすと考えられていますが、このピロリ菌は口臭の原因ともなります。
・糖尿病などの全身疾患
   糖尿病の方は、独特の甘酸っぱい口臭がします。

簡単にできる口臭対策

簡単にできる口臭対策
では、どのように口臭を防いだら良いのでしょうか。原因を見極めてから、対策する必要が
あります。

①舌磨きをしましょう
多くの場合、舌苔が口臭の原因になります。歯磨きだけではなく、舌を磨く習慣をつけましょう。しかし、歯ブラシで舌を磨くと表面を傷つけてしまう危険があります。専用の舌ブラシを使用してください。奥から手前に一歩方向に、汚れをかき出しましょう。この時、優しい力で行うように意識してください。舌磨きは1日1回を目安に行いますが、一番良いタイミングは朝です。寝ている間は唾液が分泌されないため、お口の中の細菌が一番増えてしまいます。それに伴い、舌苔の量も増えます。そのため、起床時に舌磨きを行うようにしましょう。

②唾液の分泌量を増やしましょう
唾液が少ないために口臭がある方は、唾液の量を増やすように努力しましょう。唾液腺マッサージをすると、唾液量が増えます。唾液腺は、舌下腺、顎下腺、耳下腺の3つあります。顎の下を親指で円を書くように押すと、舌下腺を刺激することができます。エラが張っている部分の少し下をマッサージすると、顎下腺を刺激することができます。こめかみの少し下をマッサージすると、耳下腺を刺激することができます。他にもガムを噛んだりして、唾液量を意識的に増やしましょう。

③歯周治療を受ける
歯周病が原因で口臭がある場合は、歯科医院で歯周治療を受ける必要があります。歯ぐきより上にある歯石(縁上歯石)や歯ぐきのポケットの中に潜んでいる縁下歯石を専用の機械で落とす必要があります。そうすると徐々に腫れていた歯ぐきが引き締まってきます。お口の中の歯周病菌数を減らすことができるため、口臭を減らすことができます。

④むし歯治療を受ける
むし歯が原因で口臭がある場合は、むし歯の治療をしなければなりません。

⑤全身疾患の治療を行う
口臭の原因がお口の中以外にある場合は、専門の病院で治療してもらう必要があります。

まとめ

口臭の原因はさまざまですが、ほとんどの場合、お口の中に原因があります。
・舌苔
・歯周病
・むし歯
・唾液量の減少
・蓄膿症や糖尿病などその他の全身疾患
口臭を防ぐためには、それぞれの原因に合った予防処置や治療を受ける必要があります。舌ブラシで毎朝舌磨きをしたり、お口の中のクリーニングをして、清潔な状態を保ちましょう。また、むし歯を放置せず、早めに治療をするようにしてください。その他の全身疾患の場合は、専門の病院で治療を受けましょう。
周りの人に不快な思いをさせないためにも、是非試してみてください。
しのぶ歯科インプラントセンターでは、歯科医師、歯科衛生士が一丸となって、患者様のお口の健康をお守りいたします。

むし歯のメカニズムについて

お口の中の病気にはさまざまなものがありますが、2大疾患と呼ばれているのは、“歯周病”、そして“むし歯”です。むし歯で痛い思いをした経験のある方がいらっしゃると思います。どうして虫歯になってしまうのでしょうか?今回はむし歯のメカニズム、そしてむし歯を予防するためにできることについて解説していきます。

むし歯のメカニズム

むし歯のメカニズム

むし歯とは、むし歯菌であるミュータンス菌が作り出す酸により、歯が徐々に溶けて穴が空いてしまう病気です。しかし、むし歯はこのミュータンス菌だけが要因となっているわけではありません。そこにはおもに4つの原因が関係しています。

①細菌
まず1つ目の原因は、“細菌”です。上記にあるように、ミュータンス菌がむし歯の直接的な原因となります。ミュータンス菌は私たちのお口の中に常在している細菌で、食べ物や飲み物の中に含まれる「ショ糖」を分解して酸を作り出します。歯がこの酸にさらされ続けると、歯の表面のエナメル質からカルシウムやリンなどが徐々に溶け出して穴が空きます。他にも、ラクトバチラス菌というむし歯菌の一種もむし歯の進行に関与します。

②糖分
ミュータンス菌はショ糖を分解して酸を作り出すため、糖分もむし歯の原因となります。甘い食べ物、甘い飲み物をよく取り入れる方は、むし歯になりやすくなります。

③歯質
歯の質は個人差があります。エナメル質がもともと強い方は、酸にさらされても溶けにくいです。一方で、エナメル質が弱い方は歯磨きをしていてもむし歯ができやすく、その進行も早いことがあります。また歯の質だけでなく、歯並びもむし歯に影響を与えます。歯並びが悪いと汚れをきれいに落とすのは難しいです。そのためむし歯になりやすい環境になります。

④時間
最後は“時間”です。時間がなければ、むし歯になることはありません。お口の中が汚れている時間が長ければ長いほど、むし歯になりやすくなります。また、甘いものをダラダラと食べたり飲んだりすることも危険です。私たちの唾液には酸性になったお口の中を中性に戻そうとする働きがありますが、この過程には30分~40分程度かかります。甘いものを食べたり飲んだりしてから、30分も経たずにまた甘いものがお口の中に入ると、唾液の中和作用が追いつきません。そのためお口の中が常に酸性状態になり、むし歯が進行しやすくなります。

むし歯の原因はおもに4つありますが、これらの原因が重なってはじめてむし歯ができます。

むし歯を予防するためにできること

むし歯を予防するためにできること
では、むし歯を作らないために、具体的にどんなことができるでしょうか。

①ダラダラ食べる習慣を止める
先ほども書いたように、ダラダラ食べたり飲んだりする習慣のある方は、むし歯になりやすく、また進行も早いです。甘いものを全く食べないようにする必要はありませんが、時間を決めて食べるようにしましょう。

②食後の歯磨き
お口の中が汚れていると、それをエサにしてミュータンス菌が増えていきます。基本的なことですが、食べたあとは歯磨きをして、お口の中をきれいな状態にしましょう。仕事などで磨く時間がないという方は、うがいだけでもするように心がけましょう。しかし、夜は必ず磨くようにしてください。寝ている間は菌が最も繁殖します。そのため、夕食後、もしくは就寝前はできれば10分ほど時間をかけて、ていねいに磨くことを意識しましょう。

③フッ素を活用する
「フッ素は歯を強くする」と聞いたことがあると思います。フッ素は歯の質を強化して、酸に負けない丈夫な歯を作るのを助けてくれます。一番簡単なフッ素の活用方法は、フッ素入りの歯磨き剤を使用することです。しかし、ご家庭で使用できるのは低濃度のフッ素です。そのため、定期的に歯科医院での高濃度のフッ化物塗布をおすすめします。フッ化物塗布はお子さんにのみ効果的と思われるかもしれませんが、大人の方にも効果はあります。気になる方はぜひご相談ください。

④デンタルフロスまたは歯間ブラシを使用する
ていねいに磨いているつもりでも、歯と歯の間は歯ブラシでは磨くことができません。そのため、デンタルフロスまたは歯間ブラシで清掃しましょう。1日1回、できれば夜に使用しましょう。

⑤歯科医院での定期クリーニング
一生懸命磨いているつもりでも、完全には汚れを落とすことはできません。そのため、定期的に歯科医院を受診し、プロにお口の中をクリーニングしてもらいましょう。できれば3ヶ月に1回、少なくとも6ヶ月に1度はお掃除してもらいましょう。

まとめ

むし歯の主な原因は、“細菌”、“糖質”、“歯質”そして“時間”です。これらの要因が重なってはじめてむし歯ができます。むし歯を予防するために、ダラダラ食べる習慣をやめ、フッ素を活用したり、丁寧な歯磨きを心がけましょう。また歯科医院での定期的なクリーニングを受けるようにしましょう。しのぶ歯科インプラントセンターでは、患者さまのお口の健康をサポートしてまいります。

抜歯後の治療方法について

むし歯や歯周病、破折などが原因で歯を抜かなければならないことがあります。しかし、抜いた歯をそのまま放置することはとても危険なことです。今回は抜歯後の治療を放置することの危険性や、抜歯後の治療方法について解説していきます。

抜歯後に放置するとどんな危険があるのか

抜歯後に放置するとどんな危険があるのか

抜歯の原因の大半は歯周病、そしてむし歯です。しかし、転倒や交通事故などの被害によって抜歯せざるを得ない状況になることもあります。1本くらい歯がなくても大丈夫と思い、放置してしまう方が中にはおられますが、それはとても危険なことです。

①前後の歯が傾く
抜歯をするとその空いたスペースを埋めようとして、抜いた歯の前後が傾いてきます。

②噛合わせの歯が出てくる
前後の歯が動くだけでなく、噛み合わせた歯(対合歯)も徐々に出てきます。

③噛合わせが崩れる
上記にあるように歯がなくなったスペースを埋めようと他の歯が動いてくるため、噛みが徐々にズレてしまいます。よく噛むことができなくなり、胃腸への負担も増えます。

④顔の形が歪む
私たちは無意識のうちに噛みやすい方で食事をします。そのため歯が少ない方ではなく、しっかりと残っている方で噛むことを好むようになります。そうすると片方に負担がかかりやすくなるため、顔の形も歪んできます。

⑤周りの歯がむし歯や歯周病になりやすくなる
歯は噛み合わさることによって、汚れを落とす働きをします。しかし噛み合う歯がないと、その歯に汚れがつきやすくなります。そのため、むし歯になったり、歯ぐきが炎症を起こして、歯周病になるリスクが高くなります。

⑥体のバランスが崩れる
噛合わせが崩れると、全身のバランスも崩れます。そのため肩こりや、頭痛などの症状が出る場合があります。

⑦発音、滑舌が悪くなる
歯を1本失うだけでも、特定の言葉の発音が悪くなる場合があります。

⑧見た目が悪い
奥歯はあまりわからないかもしれませんが、前歯をなくした場合見栄えが悪くなり、人前で笑えなくなるかもれません。

抜いた歯を放置すると、さまざまな危険があるのです。

抜歯後の治療方法

抜歯後の治療方法

では、抜歯後の治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか。治療方法と、それぞれのメリット、デメリットについて解説していきます。

①部分入れ歯
入れ歯は1本の欠損から全顎欠損まで広範囲に適応できます。
〈メリット〉
・着脱式のため、清掃しやすい
・保険が適応されるため、治療費が安い
・治療期間が短い
・他の歯を大きく削ったりする必要がない
〈デメリット〉
・前後の歯にバネがかかるため審美的に悪い
・違和感がある
・噛みづらい
・審美的、機能的に良いものにすると保険外治療となり医療費が高額

②ブリッジ
ブリッジとは、抜歯された前後の歯を削り、そこに連結されたクラウン(冠)をかぶせて、歯がなくなった部分を補う治療方法です。健康な2本の歯を支柱として、橋をかけるように人工の歯を入れるため、2本の歯で3本分の力を支えます。
〈メリット〉
・天然歯と同じような感覚で噛める
・違和感が少ない
・保険が適応されるため、治療費が安い
〈デメリット〉
・前後の歯を大きく削る必要がある。むし歯にもなっていない健康な歯の神経を取らなければならなくなる
・連結されているため清掃が難しい
・清掃が難しいため、むし歯(二次カリエス)になりやすい
・清掃が難しいため、歯周病になりやすい

③インプラント
インプラントとは、抜歯された歯のスペースの歯ぐきを切開して、歯槽骨と呼ばれる歯を支えている骨に人工歯根を埋め込みます。その後土台、人工歯をたてていきます。
〈メリット〉
・天然歯のような噛み心地を味わえる
・違和感が少ない
・審美性に優れている
・他の歯を傷つける必要がない
・発音が安定している
〈デメリット〉
・治療期間が長い(3ヶ月から10ヶ月ほど)
・2回外科手術が必要
・治療費が高額(平均30~40万円ほど)
・重度の糖尿病や骨粗しょう症などの持病がある方は治療できない可能性がある
・メンテナンスを怠ると、インプラントが歯周病になることがある

インプラント治療はとてもよいものです。しかし、治療後のメンテナンスをすることは欠かせません。毎日ていねいに歯を磨き、そしてデンタルフロスで歯と歯の間の汚れを落としましょう。そして、定期的に歯科医院でのクリーニングを受けましょう。できれば月に1度、少なくとも3ヶ月に一度は検診に行き、インプラントの状態を診てもらいましょう。

歯科医師とよく相談し自分にあった治療を見つけましょう

抜歯した部分を放置することはとても危険です。前後の歯が傾いたり、嚙み合わせている歯(対合歯)が出てきてしまうため、噛み合わせのバランスが崩れます。そのため、抜歯したあとも治療する必要があります。
 主な治療法としては、入れ歯、ブリッジ、そしてインプラントがあります。それぞれの治療方法にはメリット、デメリットがありますし、場合によっては特定の治療方法を受けられない可能性もあるため、あらかじめ歯科医師とよく相談した後に、決めるようにしましょう。

親知らずは抜いたほうがいいのか?メリット・デメリットを解説します

「親知らずを抜いたほうがいいですか?」とよく患者さんから聞かれます。親知らずを抜くとその後痛くなったり、腫れたりするイメージがあるかもしれません。親知らずは全て抜く必要があるのでしょうか?今回は親知らずを抜く場合、抜かない場合のメリット・デメリットについて解説していきます。

親知らずとは

親知らずとは

親知らずとは、第三大臼歯、または智歯とも呼ばれる、永久歯の中で最も奥に生えてくる大臼歯のことです。20歳前後に生えてきます。親が知らない間に生えてくることが、親知らずの名前の由来と言われています。

親知らずを残したときのメリット

では、親知らずを残したときにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

①将来、入れ歯やブリッジの土台として使える
例えば、親知らずの一本手前の第二大臼歯が何らかの原因で抜歯した場合、親知らずがあればその歯を土台として、ブリッジという治療の選択ができる可能性があります。入れ歯を作るにしても、親知らずがあることによって、入れ歯の安定性が高まります。

②移植に使える
どこかの歯が抜歯された場合、そこに親知らずを移植するという治療方法があります。

親知らずを残したときのデメリット

①むし歯になりやすい
歯ブラシがどうしても届きづらいため、むし歯になりやすいです。親知らずがむし歯になるだけでなく、その1本手前の歯までむし歯にしてしまう可能性があります。

②智歯周囲炎になりやすい
半分だけ生えている親知らずに特に多いのですが、歯磨きがうまくできないため、親知らずの周囲の歯ぐきが腫れて炎症を起こしやすいです。強い炎症を繰り返していると、そこから膿が出てきます。この状態を放置していると、親知らずの周りの歯槽骨も徐々に溶けてしまいます。歯槽骨は他の歯と共有しているので、親知らずがあることによって、手前の第二大臼歯まで歯周病になってしまう可能性もあります。

③口臭の原因になる
智歯周囲炎になって膿が出ていると、口臭の原因になります。

抜歯したときのメリット

では、抜歯したときのメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

①歯周病・むし歯を予防できる
親知らずを抜くことにより、歯磨きをしやすくなります。よく磨けるようになればその分、むし歯や歯周病になるリスクを減らすことができます。親知らずが虫歯になったり歯周病になった場合は抜歯すれば解決しますが、親知らずがあるせいで一生使う必要がある第二大臼歯までむし歯や歯周病になるのは、とてももったいないことです。親知らずを抜くなら、第二大臼歯を守ることができます。

②口臭が改善される
親知らずが原因の口臭は、親知らずを抜くことによってそれまでどんなに磨いていてもとれなかった口臭を、改善することができます。

抜歯することのデメリット

①抜歯後、数日腫れることがある
腫れるピークは1~3日ほどです。特に下の親知らずは歯槽骨が固く、抜きづらいため腫れが長引くことがあります。

②抜歯後、数日痛むことがある
抜歯をしている間は麻酔をするため、痛みを感じることはありません。しかし、麻酔が切れた時に痛みが出ることがあります。歯科医院から処方される抗生物質、痛み止めを用法・用量を守って服用しましょう。

すべての親知らずを抜いたほうがいいわけではない

すべての親知らずを抜いたほうがいいわけではない

親知らずは、なにがなんでも抜かなければいけないわけではありません。
例えば、完全埋伏歯、つまり親知らずが骨の中にしっかりと埋まっており、今後生えてくる見込みのない歯を無理に骨を削って取り出すのは、かえって体への負担が大きくなります。抜くべきか、抜かないべきかはそれぞれの親知らずによって異なります。親知らずの生えている方向、現在親知らずに何らかの症状が出ているか、患者さん自身の健康状態などをレントゲンやCTを撮って総合的に考慮する必要があります。歯科医師とよく相談した上で決めましょう。
しかし、親知らずの周りの歯ぐきが腫れて痛みがあるときには、抜歯ができません。痛みがあるときは麻酔が効かないからです。その際は、一度親知らずの周りを洗浄し、薬を飲んで腫れが引いてから、抜歯になります。

妊娠を希望している方は、早めの抜歯がおすすめ

妊娠するとホルモンのバランスが崩れたり、つわりで歯磨きが普段通りにできなくなるため、親知らずが痛くなることがあります。通常なら抜歯すればいいのですが、妊娠中は母体や胎児への影響をできるだけ少なくするために、レントゲン撮影や、お薬の服用はなるべく控えたほうが望ましいです。そのため妊娠を希望している方は、その前に抜歯する方が良いでしょう。よく歯科医師と相談した上で、決めましょう。

まとめ

親知らずを残すなら、将来移植に使用できたり、ブリッジや入れ歯の土台として使えるかもしれません。しかし、むし歯や歯周病、さらに口臭の原因となることもあります。抜くべきか、抜かないべきかよく歯科医師と相談した上で、決めていきましょう。

知覚過敏―その原因と対処法

冷たいものを食べたり飲んだりした時に、歯に痛みを感じたことはありませんか?それは知覚過敏症かもしれません。これから寒くなるにつれ、知覚過敏の方は特に敏感になりやすい季節と言えます。今回は知覚過敏の原因と対処法、また治療法について解説していきます。

知覚過敏とは?

知覚過敏とは?

知覚過敏とは、歯の知覚が過敏になってしみたり、痛みを感じたりすることです。歯の表面は、エナメル質という体の中で一番硬い組織によって覆われています。そしてこのエナメル質の下に“象牙質”という組織があります。象牙質はエナメル質よりも柔らかい組織で、歯の根元の方はエナメル質がなく、象牙質で覆われています。
象牙質は、“象牙細管”と呼ばれる細い管によって構成されています。細いストローをいくつも束にしたような構造です。この象牙細管は歯の神経へとつながっており、管の中には象牙細粒という細かい粒子があります。この粒子が機械的な刺激を受けたり、冷たいものなどが当たったりすると、刺激が神経の方へ伝達されるため、“しみる”と感じたり、“痛い”と感じるようになります。これが知覚過敏のメカニズムです。

知覚過敏の原因

知覚過敏の原因にはいくつか考えられます。

①歯肉退縮
歯周病や加齢などが原因で歯ぐきが下がると、歯の根元が露出してしまいます。歯の根元は象牙質によって覆われているため、ここに冷たいものが当たったり、歯ブラシでこするなどの機械的な刺激が加わると、しみたり痛みを感じることがあります。

②歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしり、食いしばりはストレスなどが原因と考えられていますが、寝ている間は意識がないため、自分の体重以上の力が歯にかかります。そうするとエナメル質がこすれたり、削れたり、割れたりして象牙質が露出します。結果、知覚過敏の症状が出ます。

③誤ったブラッシング
歯磨きの仕方を間違えることによっても、知覚過敏を引き起こすことがあります。必要以上に強い力でゴシゴシ磨くと、歯の根元を削ってしまう可能性があります。エナメル質の場合は硬いため、歯ブラシで削ってしまうことはほとんどありません。しかし歯肉退縮により歯の根元の象牙質が露出していると、ブラッシング圧により象牙質を削ってしまうことがあります。そのため知覚過敏が生じます。

④歯の破折
転倒したりするなど、何らかの原因によって歯が破折すると、象牙質が露出し知覚過敏が生じることがあります。

⑤酸蝕症
酸蝕症とは、歯が酸に長時間さらされることにより、エナメル質が溶け、象牙質が露出してしまうことです。

⑥むし歯、および虫歯治療後
むし歯になるとエナメル質に穴が空き、象牙質が露出すると冷たいものでしみることがあります。また、虫歯治療をしたとしても、むし歯の部分を削ったときの刺激や、薬剤の刺激により一時的に歯がしみることがあります。

⑦歯石除去後
歯石を除去すると、それまで歯石によって覆われていた部分が露出するため、一時的に知覚過敏が生じることがあります。

⑧ホワイトニング
ホワイトニングをすると、一時的に薬剤の影響により個人差はありますが、歯がしみることがあります。

自分でできる知覚過敏の対処法

知覚過敏の自分でできる対処法にはいくつかの方法があります。

自分でできる知覚過敏の対処法

①ブラッシング圧を弱くする
ゴシゴシとつい力を入れて歯を磨くクセのある方は、力を弱めましょう。歯ブラシを握るように持っている方は、えんぴつ持ちに切り替えましょう。ムダな力がかからず、歯を磨くことができます。

②知覚過敏用歯磨き剤を使用する
知覚過敏が軽度であれば、知覚過敏用の歯磨き剤を使用することである程度症状を抑えることができます。硝酸カリウムが配合されているものを選びましょう。

③食いしばりを意識的にやめる
歯を食いしばるクセのある方は、意識的に食いしばりをやめましょう。

歯科医院で行う治療方法

知覚過敏の症状が強い場合、歯科医院で治療する必要があります。

①知覚過敏用の薬剤を塗布する
知覚過敏の症状を抑える薬剤を歯の表面に塗布します。

②表面をコーティングする
象牙細管の表面にコーティング剤を塗布することにより、刺激が神経に伝達されることを防ぎます。

③削れている部分をプラスチックで埋める
歯の根元の部分が削れてしまっている場合、そこを保護するためにプラスチックで埋めます。

④フッ素塗布する
フッ素は虫歯予防に効果的なだけでなく、知覚過敏の症状を抑える働きもあります。

⑤マウスピースを作製する
食いしばりは意識することである程度抑えられますが、歯ぎしりは無意識のうちに行なわれているため、コントロールするのが難しいです。そのため、マウスピースを使用することにより歯にかかる負担を軽減させることができます。

⑥神経を取る
上記の治療法を行ってもまだ知覚過敏の症状が強い場合、神経を取ることがあります。神経を取ってしまえばしみたり痛みを感じることはありませんが、歯の寿命は短くなります。

まとめ

知覚過敏には幾つかの原因もあり、その対処法や治療方法もさまざまです。当医院でも知覚過敏の患者さまへの治療を行っております。気になる症状のある方は、歯科医師または歯科衛生士に遠慮なくご相談ください。

むし歯予防にフッ素を活用しましょう

むし歯を予防する方法にはいくつかありますが、そのひとつに「フッ素」があります。テレビのコマーシャルでもおなじみのフッ素ですが、どうしてむし歯予防に効果的なのでしょうか?今回はフッ素とは何か、フッ素の効果、使用方法について解説していきます。

フッ素とは何か?

フッ素とは何か?

フッ素は原子番号9番で、ごく身近な私たちの生活にも含まれている元素です。例えば、魚、お茶や塩の中にもフッ素は含まれています。フッ素と聞くと毒とイメージされる方も中にはいらっしゃいます。確かにフッ素自体には金属を溶かしてしまうほどの毒が含まれていますが、一般的に歯科で使われるフッ素は「フッ化物」です。フッ化物はフッ素ほどの毒性はありません。用法・用量を守るなら、むし歯を予防するなどの良い効果を得られます。

フッ素がむし歯予防に効果的な理由

では、どうしてフッ素にはむし歯を予防する効果があるのでしょうか。主な理由は3つあります。

①歯の再石灰化促進作用
歯の表面はエナメル質という硬い組織で覆われています。このエナメル質は、お口の中に食べ物や飲み物が入り、pH5.5以下になると徐々にリンやカルシウムなどの無機質が溶け始めます。これを“脱灰”と言います。通常は唾液が酸性に傾いたお口の中を中性に戻そうとする働きをします。そして唾液の中のリンやカルシウムが再び歯に取り込まれることを“再石灰化”と言います。フッ素には、この再石灰化を促す作用があります。フッ素があることにより、カルシウムが歯の表面に戻りやすくなり、歯を修復するのを助けてくれます。

②歯質の強化作用
フッ素は、歯の質を強くする効果があります。フッ素が歯に取り込まれると、そこで「フルオロアパタイト」という結晶を作り出します。そのため、酸にさらされても溶けにくい、強い歯を作ることができます。

③ミュータンス菌の働きを抑える
ミュータンス菌とはむし歯菌の名前ですが、このミュータンス菌はお口の中に入ってきた食べ物や飲み物の中に含まれる糖質を分解するときに、酸を作り出します。この酸がむし歯の原因となりますが、フッ素はミュータンス菌が酸を作り出す働きを抑えます。酸が産生されないため、むし歯になりにくくなるのです。

自宅でできるフッ化物の応用方法

①歯磨き剤
歯磨き剤の中には、フッ化物が配合されたものがあります。フッ素濃度を表すために、“ppm”という単位が用いられています。日本薬事法により、日本では1000ppmまでの歯磨き剤へのフッ化物の使用が認められています。歯磨き剤を購入する際は、フッ化物濃度も確認しましょう。

②フッ化物洗口剤
寝る前などにフッ化物の入った洗口剤でうがいすることも、むし歯予防に効果的です。

歯科医院で行うフッ化物の応用方法

歯科医院では、高濃度のフッ化物塗布を行います。お口の中をキレイにしてから、乾燥させ、フッ化物塗布を行います。歯科医師、歯科衛生士のみができる予防方法です。自宅で行う低濃度のフッ化物応用と、歯科医院で行う高濃度のフッ化物応用を併用するなら、むし歯を予防するための高い効果が得られます。歯科医院でのフッ化物塗布は少なくとも年に2回は行うようにしましょう。

子どもから高齢の方まで効果のあるフッ素

子どもから高齢の方まで効果のあるフッ素

“フッ素”と聞くと、子どもに使用するものと思われるかもしれません。しかし、大人の方、高齢の方にも効果的です。特に以下の方には、フッ化物の使用は効果的です。

・生えてきたばかりの乳歯
生えてきたばかりの歯はまだ弱く、むし歯になりやすいです。1歳6ヶ月健診のときに歯科健診がありますが、その際に歯科医師に相談し、フッ化物使用の方法を指導してもらいましょう。

・学童期
6歳ごろから徐々に乳歯が永久歯へと変わり始めます。永久歯も生えたての頃は歯の質が弱いため、むし歯になりやすいです。自宅でのフッ化物応用だけでなく、歯科医院でのフッ化物塗布をしてもらいましょう。

・思春期
思春期は、勉強や部活動などの学校生活が忙しく、生活習慣が乱れやすい時期です。保護者からの仕上げ磨きも終わり、自分で磨くようになるため、どうしてもむし歯になりやすくなります。そのためフッ化物の応用によって、むし歯を予防する必要があります。

・矯正中の方
矯正をしていると、矯正装置が邪魔をして歯磨きがうまくできません。矯正装置を外した時にむし歯になっていないように、フッ化物を使用して、むし歯を予防しましょう。

・高齢の方
歯周病や、加齢とともに歯ぐきは下がります。そうすると歯の根元が露出しますが、ここは象牙質という柔らかい組織でできているため、磨き残しなどがあるとむし歯になりやすくなります。根面がむし歯になるのを予防するために、フッ化物を使用することをおすすめします。

まとめ

フッ化物は再石灰化を促進したり、歯の質を強化したり、むし歯菌の働きを抑える効果があります。フッ化物が配合された歯磨き剤や、洗口剤を使用しましょう。そして、少なくとも年に2回は歯科医院で高濃度のフッ化物塗布をしてもらいましょう。当医院でも、状況に応じて3ヶ月から6ヶ月ごとのフッ化物塗布を行っております。

ホワイトニングのメリット・デメリット

多くの方が白い歯に憧れると思います。白い歯の人は実年齢よりも5歳若く見られるという研究結果もあるほどです。しかしさまざまな原因により歯は徐々に黄ばんでいきます。どうして歯は変色するのでしょうか。ホワイトニングとはどのようなものなのでしょうか。今回は気になるホワイトニングのメリット・デメリットについて解説していきます。

歯が変色する原因6つ

歯が変色する原因6つ

まず、どうして歯は変色するのでしょうか?主な原因には6つあります。

①加齢
年齢とともに歯は徐々に黄ばんでいきます。歯の表面は“エナメル質”という体の中で一番硬い組織に覆われています。その下に“象牙質”という組織があります。この象牙質が加齢とともに黄色みが濃くなり、エナメル質から透けて見えてしまうことがあります。

②食習慣
“ステイン”つまり着色のつきやすい、色の濃い食べ物や飲み物を常に摂取していると、歯が徐々に黄ばんでいきます。カレーや赤ワイン、コーヒーなどはステインがつきやすいです。

③喫煙
タバコの中に含まれるヤニは、歯の表面に黒く沈着します。

④遺伝
肌の色の違いが人それぞれなのと同じように、歯の色も人によって異なります。しかし遺伝的な病気ゆえに歯の変色がみられる方もいらっしゃいます。先天性梅毒や、先天性ポルフィリン症などが挙げられます・

⑤薬の影響
テトラサイクリン系抗生物質を服用している方は、歯の色が変色してくる副作用があります。

⑥神経の治療による影響
歯の神経の治療をした後に、冠(クラウン)をかぶせることなく放置していると、徐々に歯はねずみ色のようなくすんだ色に変色していきます。

ホワイトニングとは

ホワイトニングとは

ホワイトニングとは、歯を削ったり、また痛めたりすることなく、専用のお薬によって歯を白くする治療方法です。多くの場合、“過酸化水素”という薬剤を使用します。この過酸化水素はFDA(米国食品医療薬品局)でも、安全性の認められている薬品です。体に優しく、また歯を傷つけることなく、白くすることができます。
主なホワイトニングの方法には2種類あります。

①ホームホワイトニング
ホームホワイトニングとは、その名の通ご自宅で行っていただけるホワイトニングです。患者さん専用のマウスピースをあらかじめ作製し、ホワイトニングジェルをその中に流し込んで2時間ほどはめていただきます。これを約2週間を目安に毎日行います。

②オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングとは、歯科医院で行うホワイトニングのことです。ホワイトニングの薬剤を歯面に塗布した後、専用の光を当てて歯を白くします。今すぐ白くしたいという方におすすめです。

ホームホワイトニングのメリット

①後戻りが少ない
時間をかけて徐々に歯を白くするため、オフィスホワイトニングと比べて色の後戻りが少ないです。

②知覚過敏が生じる可能性が比較的少ない
オフィスホワイトニングよりも弱い薬液を使用するため、オフィスホワイトニングと比べると知覚過敏の症状が出にくいです。

③タッチアップが簡単
ホワイトニングの効果は永久的なものではなく、徐々にまた黄色くなってきます。そのため半年ほど経ってからタッチアップ(再ホワイトニング)が必要になります。ホームホワイトニングはすでにマウスピースがあるため、ジェルを購入するだけでまたホワイトニングをまた始めることができます。

ホームホワイトニングのデメリット

①時間がかかる
ホームホワイトニングは片顎(上顎または下顎)2週間ほどの時間がかかります。上下行う場合は、1ヶ月ほどの期間が必要です。

②自分で行わなければならない
自分で毎日行なわなければならないため、オフィスホワイトニングと比べると手間がかかります。

オフィスホワイトニングのメリット

①短時間で済む
オフィスホワイトニングは、1回から数回の通院で歯を白くすることができます。

②手間がかからない
歯科医院でプロの施術を受けることができます。

オフィスホワイトニングのデメリット

①後戻りしやすい
短時間でホワイトニングができますが、ホームホワイトニングと比べると後戻りもしやすいです。

②知覚過敏が起きやすい
ホームホワイトニングと比べると、知覚過敏の症状が出やすいです。

ホワイトニングの注意点

ホワイトニングを受けるにあたり、いくつか注意しないといけない点もあります。

・施術後は知覚過敏が生じやすい
ホワイトニング直後は知覚過敏が起こりやすいです。しばらくすれば徐々に治まることがほとんどですが、症状が強い場合は歯科医師に相談しましょう。

・施術後は着色しやすい
カレーやコーヒー赤ワインなど、着色しやすいものは施術後は摂取しないようにしましょう。

・妊娠中・授乳中はできない
ホワイトニングに使用される薬剤は安全が保証されてはいますが、妊娠中、また授乳中は控えましょう。

・ホワイトニングができない場合がある
神経のない歯には基本的にホワイトニング効果はありません。また無カタラーゼ症などの疾患をお持ちの方には、ホワイトニングができません。あらかじめ歯科医師に確認し、ホワイトニングができるか相談しましょう。


まとめ
ホワイトニングにはホームホワイトニングとオフィスホワイトニングがあります。ホームホワイトニングにもオフィスホワイトニングにもそれぞれメリット・デメリットがあります。しのぶ歯科では各種ホワイトニング治療を行っております。気になる方はぜひ歯科医師または歯科衛生士にお尋ねください。

歯周病が全身に及ぼす影響

テレビのCMでもよく耳にする歯周病。30歳以上の5人に4人は歯周病だとも言われています。歯周病をお口の中だけの病気と思われていませんか?実は、歯周病は多くの全身疾患と関連があることがわかっています。今回は、歯周病が全身の健康に及ぼす影響について説明していきたいと思います。

歯周病とはどのような病気なのか?

歯周病は簡単に言うと、歯周病菌によって感染することによって起こる、炎症性疾患です。私たちのお口の中には、300~500種類の口腔内細菌が常在しています。歯磨きによって汚れを落としきれていないと、これらの細菌は粘着性のある物質を作り出し、互いに強く結びつきます。これをプラークまたは歯垢と呼びます。このプラークは主に歯磨きのしづらい、歯と歯茎の境目のポケットと呼ばれる溝や、歯と歯の間などにできやすいです。
このプラークの中に含まれる歯周病菌は、毒素を出します。この毒素によって歯茎に炎症が起きることが、歯周病の始まりです。炎症の起きた状態を放置していると、徐々に歯を支えている周りの組織にまで影響が及びます。とくに歯槽骨と呼ばれる歯を支えている骨が徐々に溶かされていきます。そのため歯を支えることが難しくなり、最終的には自然と歯が抜けてしまいます。これが歯周病のメカニズムです。

歯周病と関係のある全身疾患

歯周病と関係のある全身疾患

では、歯周病はどのような全身疾患と関連があるのでしょうか?

①心筋梗塞、狭心症
歯周病菌は、血管を通って全身へと巡っていきます。研究により、歯周病菌には動脈硬化を促す働きがあることがわかってきました。歯周病菌が血管の内側に炎症を生じさせ、動脈硬化が起きます。そのため血栓が作られやすい状態になり、心筋梗塞や狭心症が起きるリスクが高くなります。心疾患は、常に日本人の死因の上位に挙げられます。直接死にもつながりかねないこの病気は、歯周病と関連があるのです。

②脳梗塞
脳梗塞などの脳血管疾患も日本人の死因の上位に挙げられます。脳梗塞も歯周病菌と関連があります。上記の通り、歯周病菌は動脈硬化を促進し、血栓を作りやすくします。この血栓が脳の血管の細いところをつまらせて血液が流れなくなると、脳梗塞が起きます。実際、ある研究によると歯周病の人はそうでない人と比べると、2.8倍脳梗塞のリスクが高くなるということがわかりました。

③誤嚥性肺炎
特に高齢の方に多い肺炎ですが、肺炎も歯周病菌と深く関わりがあります。食事をしたり、飲み物を飲んだときに食道ではなく、誤って気管の方に入ったときに誤嚥が起こります。この時にお口の中の歯周病菌もともに気管に入り、誤嚥性肺炎が生じます。健康な方であれば、誤嚥によって肺炎にまでなることはありませんが、高齢の方や、免疫力が低下している場合、歯周病菌が肺炎を起こすことがあります。

④糖尿病
糖尿病はインスリン(膵臓から分泌されるホルモンの一種で、血糖値をコントロールする働きがある)が不足したり、働きが弱くなることにより、血糖値が高くなる病気です糖尿病の人は、そうでない人と比べて歯周病になりやすく、また重症化しやすいことが明らかになっています。糖尿の数値が悪化すると、歯周病も悪化します。逆に、歯周治療を受けお口の状態が改善されると、糖尿の数値も改善されます。糖尿病と歯周病は相互関係にあります。

⑤アルツハイマー型認知症
重度の歯周病になると、抜歯しなければなりません。歯の数が少なくなればなるほど、アルツハイマー型認知症のリスクが高まることが明らかになっています。ある研究によると、歯のない人は20本以上歯がある人と比べて、1.9倍も認知症になりやすいことがわかっています。

⑥骨粗鬆症
とくに閉経後の女性は、骨粗鬆症になりやすいと言われています。骨粗鬆症になると、歯を支えている歯槽骨も弱くなります。そのため歯周病菌の出す毒素によって骨が溶かされてしまい、歯周病が進行しやすくなります。

⑦早産、低体重児出産
歯周病と早産、低体重児出産のメカニズムはまだ完全には明らかになっていませんが、歯周病菌によってお口の中で炎症が起きると、炎症性物質が分泌されます。それによって陣痛が早くなるとされています。また、歯周病菌が胎盤を通じて胎児に影響を与えるとも言われています。

歯周病を予防するためにしてほしいこと

歯周病を予防するためにしてほしいこと

①毎食後歯を磨く
歯周病を予防する上で、一番大切なことは毎日の歯磨きです。特に寝る前の最後の歯磨きは、丁寧に時間をかけて磨きましょう。

②デンタルフロスや歯間ブラシを併用する
歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れは落とせません。必ず毎日デンタルフロスや歯間ブラシを使用しましょう。

③定期的にクリーニングを受ける
どんなに一生懸命磨いていても、磨き残しは誰でもあります。3ヶ月に一度は歯科医院で、歯科医師、または歯科衛生士によるクリーニングを受けましょう。その際に、ブラッシング指導も受けて、正しい口腔ケアの方法を教わりましょう。


まとめ
歯周病は全身の健康に大きく関係しています。その一方で予防したり、進行を抑えることが可能な病気でもあります。歯周病を予防するために、日々努力していきましょう。しのぶ歯科では、患者さまのお口の健康をサポートしてまいります。

歯の生活習慣病・酸蝕症を予防しよう

1.私たちの周りはおいしいものであふれています

お店に行けばたくさんのお菓子や清涼飲料水が並んでいますし、人気のデザートや新しくオープンするお店、おとりよせの情報もひっきりなしに入ってきます。
それらのおいしい食べ物や飲み物が引き起こす酸蝕症という病気があります。
大人でも子供でも年齢を問わずだれもがなる可能性があります。
近年増加しつつある酸蝕症について知り、しっかり予防しましょう。

2.脱灰とは?

2.脱灰とは?

口の中の正常値は弱アルカリ性(ph6.8)ですが、口の中に食物が入ると急激に酸性になります。
口の中が酸性(ph5.4以下)になると歯のカルシウムやリンなどのミネラル成分が溶け出します。
この現象を脱灰といいます。
脱灰が起こると、溶けた歯を修復する再石灰化という現象が起こります。
これには唾液が深く関係しています。
唾液が酸を洗い流し、中和し、さらに脱灰によって失われたミネラル成分を補充してくれます。
再石灰化には個人差があり、唾液の量が多いほど能力が高いといわれています。
口の中は食事のたびに脱灰と再石灰化を繰り返しているのです。
このバランスが崩れ、脱灰が過剰に起こり歯が溶け続けることで酸蝕がおこります。
虫歯も酸によって歯が溶けることで起こりますが、酸蝕との違いは細菌が関係しているということ。
歯と歯の間や奥歯の溝などにプラークが溜まり、それをエサにミュータンス菌が出す酸により部分的に歯が溶けるのが虫歯です。
ところが飲食物は口の中全体に行き渡るので広範囲に症状がでるのが酸蝕の特徴です。

3.酸蝕によってどんな影響が起こるのでしょうか

前歯が酸によって溶かされると、白く濁ってみえたり、歯が黄ばんでみえたりします。
溶けて薄くなると先端部分が欠けやすくなります。
奥歯は歯が丸みを帯びたり、咬み合わせの部分が凹んだりします。
歯が溶ける脱灰を起こしている時に咬む衝撃で歯がすり減ったり、欠けたり、しみたりします。

4.酸蝕を起こしやすい食べ物や飲み物とは?

酸蝕を起こしやすい食べ物や飲み物

まずは飲み物です。
普段どういうものを口にしていますか?
炭酸飲料やスポーツドリンク、柑橘類のジュースはハイリスクです。
健康のために良かれと飲んでいる野菜ジュースや乳酸菌飲料、クエン酸飲料、お酢系飲料も飲み方や飲むタイミングに注意が必要です。
強い酸を毎日頻繁に摂取する習慣があると、歯が酸に晒される時間が長くなり酸蝕のリスクがたかまります。
お酒も例外ではありません。
チューハイや梅酒、ワインは酸性度が高いです。
日本酒、焼酎はチューハイ等に比べるとましですが、レモンをいれたり梅をいれたりすることで酸はきつくなります。

食べ物では、レモンやオレンジなどの柑橘類、梅干しや酢の物・酢漬けの食品、サラダのドレッシング等は注意が必要です。
酸蝕症を予防するポイントは、歯を長時間酸に晒さないこと。

酸性の飲み物を飲んだ後は、水やお茶などの中性のものを飲むことで酸をうすめることができます。
ストローを使って歯にふれないように飲んだり、食品の形状をカプセルに変更できないか検討してください。

酸で脱灰が起こっている直後はブラッシングは控えましょう。
物理的な力が加わることで進行が加速する場合があります。

歯がしみたり、欠けたりしてすでに症状がでている場合は治療が必要です。

欠けている部分がある場合は、欠損範囲が広がらないように修復を行います。
しみている場合は、食習慣を見直した上で知覚過敏用の歯磨剤の使用やしみ止めの薬剤をぬります。
それに加えて、フッ素やキシリトールを併用することも有効です。

5.フッ素とは?

フッ素は歯質を強化し、酸に溶けにくくします。
フッ素は自然界にある元素のひとつで、野菜や果物、魚介類や海藻に含まれています。
ですが、普段の食事で体に取り入れているフッ素だけでは予防に十分とは言えません。
そのため、歯科医院で行うフッ素紙面塗布や、家庭で使用できるフッ素配合歯磨剤や洗口液で補ってください。
市販品は低濃度のものもありますので、家庭で使用するフッ素は必ず濃度を確認してください。

6.キシリトールとは?

キシリトール

キシリトールは天然素材で果物や野菜の中に含まれています。
ガムなどに含まれているキシリトールは白樺などの木から抽出されています。
キシリトールがなぜ酸蝕症に有効なのかというと、キシリトールな口の中で酸をつくりません。
さらに、虫歯の原因となるミュータンス菌の活動を弱めてくれます。
キシリトール配合の商品はガムやタブレット、グミ等がありますが、一番おすすめなのはガムです。
ガムをかむことによって唾液がたくさん出てきます。
その唾液は口の中の酸を洗い流してくれるだけでなく、歯の再石灰化を促してくれます。
キシリトールも濃度が大切です。
歯科で販売されているものは100%のものがほとんどですが、市販されているものは濃度が低いです。
購入の際は濃度のなるべく高いもの、キシリトール以外の糖類が含まれていないものを選んでください。

7.さいごに

酸蝕症は食習慣だけでなく、病気が関係している場合もあります。
逆流性食道炎や反復性嘔吐は胃酸(ph1.0~2.0)の影響のより、歯の裏側がとかされます。

酸蝕症の原因となる酸性の飲食物はわたしたちのまわりにあふれています。
ペットボトルのジュースを持ち歩いてちょこちょこ飲んだり、アメやガムを一日に数回食べる習慣は知らないうちに歯をとかしています。
ジュースを水やお茶に、アメやガムをキシリトール100%のものに置き換えてみませんか?
食べてはいけないということではなく、大切なのは摂取頻度の軽減です。
正しい知識をもつことで酸蝕症のリスクは減らすことができます。
自分の食習慣を一度見直してみましょう。

予防歯科でお金を節約

1.患者側が予測しにくい治療費

歯医者に行こうと思った時に、治療費がいくらくらいかかるか不安に思ったことはありませんか?
今回の治療は手持ちのお金で足りるのか?
カードで支払うことができるのか?
全て治すのにかかる費用はどれくらいなのか?
痛みや不安を抱えている中で、お金の心配までしなくてはいけない。
歯医者に限らず、医療にかかる治療費は患者側が予測しにくいのが現状です。

2.実際に治療にかかる金額は?

実際に治療にかかる金額

日本には保険制度があり、加入していれば0~3割負担で治療を受けることができます。
保険治療は治療方法や材料が細かく決められていて、どこの歯医者でも安定した治療が受けられます。
同じ治療であれば費用は全国一律です。
保険治療のほかには、自費診療や自由診療と呼ばれるものがあります。
保険治療に定められている治療法や材料以外を使った治療です。
昨今、より良い治療方法や材料が次々と開発されてきています。
それらを使った治療を受ける場合は保険適応外となり、費用は全額自己負担になります。
保険治療と比べてかなり高額になります。
インプラント治療やホワイトニングなどが代表的です。
保険治療を選ぶか、保険外の治療を選ぶかは選択できます。
説明を受けたうえで納得した治療を選択してほしいです。
虫歯や歯周病は進行具合によって治療費が大きく変わってきます。
初期虫歯であれば治療費は1500円くらいですが、進行した虫歯の治療は数倍、場合によっては数十倍もの治療費がかかります。
通院回数も進行具合に比例して増えていきます。
しかも、1度虫歯を治しても詰め物の経年劣化は避けられないので、数年毎にやり替えが必要になります。
その度に、治療費がかかります。
今までに支払った治療費と費やした時間を考えると、どうでしょう?
虫歯や歯周病にさえならなければ、もっと有意義なことにお金と時間を使えたはずです。

3.では、予防にかかる金額は?

予防にかかる金額

では、虫歯や歯周病になる前に予防をしよう、という予防歯科を実践した場合の治療費はどれくらいかかるのか?
予防歯科の考えに共感していただいても、治療費が高くては続けられませんよね。
美容院やネイルサロンのように明確に伝えられたらよいのですが、予防歯科はそれぞれの状態によってオーダーメイドの治療のため、内容や歯の本数によって費用は変わってきます。
自分の場合はいくらくらいかかるのか、確認しておくのがベストです。
ここでは、大体の額をお伝えしたいと思います。
保険治療の場合は3割負担の方で3000円~4000円くらいでしょう。
レントゲンをとるとプラス1500円くらい。
PMTCは保険外の治療になるので、通う歯医者によって費用が違うので確認が必要です。

つまり、3ヶ月に1度通った場合12000円~16000円かかり、1年に1回レントゲンを撮ったとしても13500円~17500円です。
年間2万円もかからないということになります。
それでも、痛みもないのに通ってお金を払うのはもったいないと思う方もいるでしょう。
他のことにお金を使いたいと思うかもしれません。
ですが長い目で考えてみて下さい。
生涯医療費で比べると、予防歯科の効果が分かります。
生涯医療費とは、1人が生涯で必要となる医療費がどの程度かを推計したものです。
なんと、1人当たり2300万円だそうです。
このうち自己負担額は500万円近くになります。
予防歯科のために歯医者に定期的に通う人と通わない人の生涯医療費を調べた調査によると、予防歯科をしている人は、48歳までの総医療費は平均より高いものの、49歳を過ぎると平均を下回り、その後は差が広がっていくということでした。
49歳以降の差が広がっていくということは、歯の健康を守ることが他の病気の予防にも一役買っていると言えるでしょう。
予防歯科をした場合、自分の歯や健康を守れて、医療費も通院回数も最少に抑えられることになります。
歯が健康であれば絶対に他の病気にならないとはいえませんが、リスクは確実に下げられます。
予防歯科にかける費用と時間が将来の自分への投資になり、なおかつ費用は最少に抑えられるとしたら、すごくお得だとおもいませんか?

4.「○○しておけばよかった」の1位は?

「○○しておけばよかった」の1位は

ある雑誌に載っていたアンケートを紹介します。
仕事を定年退職された方1000人に聞いた、リタイヤ前にやっておくべきだった健康の後悔のランキングです。
1位 歯の定期検診を受ければよかった。
2位 体を鍛えておけばよかった。
3位 日頃からよく歩けばよかった。
以降は、たばこをやめればよかった、暴飲暴食を控えて健康に気を使った食事をすればよかった、なんでも相談できる医者を見つけておけばよかった、肌や頭髪の手入れをすればよかった等々。

健康の後悔の1位に歯の検診がランクインしたということは、それだけ歯の治療に苦労した人が多いということなのでしょう。
経験豊富な先輩方のアンケート結果には、重みを感じませんか?

道具や技術に進歩があるとはいえ、麻酔は痛いし、治療に使う機械の音は心地良いものではありません。
なによりお金と時間が奪われてしまいます。

私が出会った患者様で、総入れ歯の状態を改善するためにインプラント治療を受けられた方がいます。
上下に合計12本ものインプラントを埋入し、被せ物を作りました。
口元の印象は若返り、発音もしっかりとできるようになりました。
入れ歯の時にあったストレスはなくなり、食事の楽しみが増えたと喜んでもらえました。
ですが、その治療にかかった総額は高級外車が買えてしまうほどです。
期間は1年半にもおよびます。
治療をしたことで、その後の暮らしを豊かにできたのではないかと思っていますが、予防して歯を守れていれば、必要にならなかったかもしれない出費です。
この方も、若いころに歯を大切にしていればよかった、と後悔していました。
入れ歯からインプラントになり、QOL(生活の質)は上がったものの、やはり自分の歯に勝るものはありません。
家族には同じ後悔をさせたくないからと、お子さんやお孫さんの定期検診もすすめていました。

ちなみにお金と暮らしの後悔編では、
1位 もっと貯金しておけばよかった。
2位 いろんなことを勉強すればよかった。
3位 いろんなところに旅行すればよかった。

という結果でした。
予防歯科をして浮いたお金と時間で、お金と暮らしの後悔も減らせそうな気がしますね。

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インプラントのパンフレットを無料で差し上げます。

次回開催日は

5月22日(火)、6月27日(水)

ノーベルガイドプランニング教室

世界で注目のAll-on-4を開発したマロクリニック東京と提携しています

All-on-4 という治療法を開発した
Dr. マロのクリニックが
東京の銀座にあります。
当クリニックはこのマロクリニック東京と提携を組んでおり、さまざまな難易度の高いインプラント治療にも対応
できるようになっています。

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